下駄を履いた難易度

下駄を履いた難易度 2004_03_10

 

『ソニックヒーローズ』をプレイしながら私は、ああ、今の3Dアクションゲームって凄く簡単なんだ、と感じていた。
この「凄く簡単なんだ」ということを説明してみたい欲求に私は駆られている。

そのために、極端に単純なケースを設定してみたい。
例えば、穴をジャンプで飛び越えるシーンを考えてみよう。

まず横から見た2Dアクションゲームのとき。
自機のジャンプの飛距離を1ブロック8ドットで10ブロック分としてみる。
飛び越える穴の初期値を例えば5ブロックとしてみよう。
で、ゲームが進んでいくと、難易度がどんどん上がっていって、穴の大きさは6,7,8と増えていく。
究極的には10ブロック−2ドットまで行くことになる。(踏切1ドット、着地1ドット)

同じ事を3Dアクションゲームで考えてみる。
3Dの場合、ドットやブロックでは考えられないが、便宜上ブロックで計算することにする。
自機の飛距離を10ブロックとして、2Dで穴5ブロックの時と同じ難易度を設定しようとするとき、穴のサイズは5ブロックで良いだろうか?
ゲームとして面白いかどうかは別にして、5ブロックではいけない。
また、現実のゲームでも5ブロックにはなっていないはずだ。
穴はもっと小さいのである。

これはどうしてかというと、プレイヤーが穴のサイズを把握することが出来なかったり、穴に対してまっすぐ飛んでくれる保証がなかったりするからだろう。
つまり、これが難易度に組み込まれているのである。
(2D時の穴を飛び越える為の負荷)=(3D時の穴を飛び越える為の負荷)+(3Dであるが故の負荷)
という関係になっている。
つまり、難易度が「3Dであるが故の負荷」という下駄を履いているのである。

ところが、この下駄はいずれ取れる。
プレイを続けていけば、空間はそのうち把握できるから。
そうすると、最終的には(3Dであるが故の負荷)=0に近くなって、
(2D時の穴を飛び越える為の負荷)>(3D時の穴を飛び越える為の負荷)
という関係になる。
単純に、穴を飛び越えるためにジャンプボタンを押すタイミングを計る、という負荷で考えると、今の3Dアクションゲームは凄く簡単なのである、実は。

このことは、ひどく今風だとも言える。
だって、誰でもやり続けていればクリアできることになるから。
そのうち空間は把握できるようになる。
今どきのアクションゲームをおそれる必要なんて全くないのである。
やってみればいいのだ。

まあ、なんでわざわざ空間を把握せなあかんの?という問いには、私たちはゲーマーだからだ、としか答えようがないのだが。



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