大人のDSゴルフ_2

ゴルフにおけるゲーム 2005_11_20

 

前回の話で、「不確定要素」という言葉を使ったら、これは説明しなければならないような気がしてきた。
「不確定要素」というのは、要するにゲームのことである。
『大人のDSゴルフ』の新しさを考えるためには、どうしてもこれを知っておかなければならない。

ゴルフというゲームは大体3段構成になっている。
コースデータの収集、得られたデータの分析、そして分析結果の実践、の3つである。
この3つのうちコースデータの収集はあまりゲームに出来ない。
テレビモニタにはそれだけの表現力がないからだ。
風はこうで、アンデュレーション(グリーンの勾配)はこうで、とゲームが提示するしかない。

次にデータの分析はプレイヤーの中の話なので、ゲームではあるがあまり創り手は関与できない。
計算式をどの程度教えてあげるか、という設計だけである。
もちろん、ボールの飛んでいくラインを打つ前に見せるか、見せないか、という程度の決定権は創り手にはあるけど。

やはりゴルフゲームに於ける最大のゲームはショットを打つところにある。
いかに思い通りに打たせないか、が問題になるのだ。
これを私は「不確定要素」と書いた。
そこに従来はタイミングを合わせるゲームをはめ込んでいたわけだ。
ゴルフってのは動いているのが自分だけのスポーツなのに、パワーメーターが勝手に動くゲームになっていた。
おかしな話なのだが、私たちはそれなりに納得して遊んできたのである。

『大人のDSゴルフ』の素晴らしいところは、自分で動いて、それがゲームになるってことなんだな。
意外と手でペンを動かすって思い通りにならない。
手を動かすこと自体は簡単にできるわけだが、精密に出来るかというとそうでもないのだ。
だから、そこがゲームになるって気付いたところが素晴らしい。
また、大体は誰でも出来るってところが「Touch! Generations」シリーズの要請とも合致する。
たぶん、最初のうちは誰でもそこそこ出来るんじゃないかな。
難易度が上がってくると、「セカンド寄らねー!!」って叫びたくなるけど。

この週末、集中的にやってきたが、このゲームへの理解度が上がって来ているのに自分の手が思い通りに動かない、という新しい感覚に改めて感動していた。
ゲームには新しい入力デバイスが必要だったんだ。
やはりNDSの登場は必然だったのかもしれないな。



<追加>
この話は敢えて「ゲーム」を書き分けなかった。
「言葉の定義」に書いてある「ゲーム」の3つの意味を当てはめて読んでみて欲しいと思ったからだ。
基本的に検索で引っかかった人に向けて書いている、という私のスタンスからすると間違った選択ではあるのだが。
まあ、たまにはイイかな、と思った。



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