PS3版、初音ミク-Project Diva f-

コンシューマ文化を守るのは 2013_11_30

 

家庭用のテレビでも3D映画は意外に面白い。
視野が画面で埋まるところまで近づけば、の話だが。
映画『シュガーラッシュ』とかでも結構楽しめた。
ゲームでも3D対応はないものか、と探していたところ、PS3版の『初音ミク-Project Diva f-』を見つけた。
散々PSVita版やったのに・・・とは思ったが、一応どんなもんか確認する意味でプレイすることにした。
そうしたら、全然違うことに気付いたのである。


PS3版の『初音ミク-Project Diva f-』は画面に近づくことが出来ない。
だって、マーカーが画面の端から内側へ向かって飛んでくるから。
近いと出始め位置を見るのに目線を大きく動かさねばならず、完全に覚えでもしなければ追従するのは不可能である。
これは画面から離れないとダメだな。
それ以前に、マーカーばっかり見てて、ムービーを観る余裕はないから、そもそも3Dにする意味はないように思われる。
モデリングがもとのままで、マシンパワーが余ってるから対応した、とかそんなところだろう。

ここで、いや、しかしまてよ、と思うのである。
画角によってゲームが変わるんだったら、据置は向いていないことになる、コンシューマゲーム機に。
コンシューマってのは、プレイヤーを完全に把握することによって完璧に仕上げなければならないのに、プレイヤーによって環境が全然違うんだから。
プレイヤーの位置とテレビ画面の大きさ、変数を二つ考えなきゃならない。
これは地デジ化でより大きな問題になったんだろう。
アナログ時代は14から25インチぐらいのテレビが主流だったけど、今は17から50インチオーバーまで大きく開きがでた。

更にデジタル特有の遅延問題もある。
PS3版には遅延の調整パラメーターがついているんだけど、最初見たときビックリした。
だって、±両方あるから。
遅延だけなら、どっちか一方になるんじゃないの?と思ったが、そうでもないらしい。
たぶん標準的なTVを想定して遅延を調整しているから、高性能なTVだと逆に早すぎるのだろう。
でも、プラマイどっちにすれば良いのか、私には分からなかった。
マーカーの表示を早くするのと、判定を遅くするのとで、プラマイの意味合いが逆になるでしょ。
どうしたらええんねん、と思って途方に暮れた。
たぶん脳みそが勝手に補正してくれるから、ちょっとぐらい弄っても全然分からないんだ。
上手くいかないのが自分のせいなのか遅延のせいなのか、よく分からないままプレイすることになって、なんか気持ち悪かったな。
コンシューマがこんな事ではダメなんじゃないの。
遅延に関しては、測定するミニゲームみたいなのを入れないセガが悪いんだけれども。

考えてみると、携帯ゲーム機なら、こういう問題は起きない。
画面サイズは決まってる。
目からの距離は大体一緒だろ。
画面は遅延してても別にイイんだ、みんな一緒なら。
コンシューマ文化を守ることが出来るのは、もう携帯ゲーム機だけなんじゃないか。
据置がコンシューマ文化から逸脱してしまうのであれば、ホームコンピューティングに対して、あるいはスマホ・タブレットに対して、もはや優位は無いのかもしれんな。
廃れていくのも故あることか。



<追加>
WiiUは家の中で遊ぶ携帯ゲーム機なんだ、という位置づけであれば、依然としてまだ生き残る可能性はあるんじゃないか。
それが故のタブコン、ということなら理解出来る。


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