私はゲームについて「マージン」という言葉をよく使う。 この言葉を、創り手が遊び手に与えている余裕、といった程度のかなり広い意味で私は使っている。 ゲーム業界で使われている言葉とは違うかもしれない。 例えば、(すり抜けられる幅)−(自機の当たり判定の幅)はマージンだし、(ジャンプの頂点の高さ)−(段差の高さ)もマージンである。 また、敵の攻撃モーションが始まってからガードが間に合うまでの時間といった具合に時間的な余裕をマージンと捉えることもある。 私は、マージンは割と大事な要素だと捉えて、いつもゲームを考えてきた。 というのは、マージンの大きさは、創り手がどの程度プレイヤーにゲームへの理解を求めるのかによって決まると私が思っているからである。 ところで、3DSの『ガイストクラッシャー』が凄い値段で売られていた。 発売後3ヶ月で新品が80%引きとか、ちょっと尋常じゃない。 「流星のロックマン」シリーズの後継を狙って大量出荷したにもかかわらず、マーケティングに失敗したのかな? これを企画した人は大変だろうね、今頃。 他人事ながら同情を禁じ得ないよ。 試しにやってみたら、そこそこ遊べたので、たぶん面白くないから売れなかったわけじゃないんだろう。 しかしである。 ちょっと気になるところもあった。 私は当初、「ロックマンエグゼ」とか「流星のロックマン」のイメージでこのゲームを捉えていたのだが、どうも違う。 マージンが凄く広いのだ。 適当にやってるだけでクリア出来てしまう。 全くと言って良いほど、プレイヤーにゲームへの理解を求めていなかった。 最悪ちょっと経験値稼ぎをすればパラメーターはどんどん伸びてしまうから、理解する必要がないのである。 バリアを張っている敵以外にはフォームチェンジ?をほとんど使わなかったけど、クリア出来ちゃったよ。 メイルアクションを選ばせる狙いがあるのに、それをしなくてもクリア出来ちゃうような作りでいいのか、という気がするんだ、私は。 3Dアクションの宿命なのかもしれないけどね。 位置関係がわかりにくいから、厳密なバランス取りは出来ない。 自由度は制限されていた方がいいんだ、本当は。 「エグゼ」なんかだと、ブロック単位でしか移動出来ないから、通常の2Dアクションなんかよりマージンを小さく設計出来るんだよね。 この敵がこのモーションを起こしたら、この区画に絶対いてはいけない、とプレイヤーが理解していることを前提にバランス取り出来るんだ。 そこにいてはいけない、事を知ることで自分が成長しているように感じられるから、クリアすることがより楽しくなるんじゃないかな。 いつも思うんだが、ゲームが3Dになってホントに得してるのかね? 見た目が派手になってるのは間違いけども、どうしても雑になるんだよなあ。 マージンを削れないような設計なら、そもそも3Dになんかしなくてイイと私は主張したいね。 |