昔のRPGにはレベルダウンの魔法ってのがあった。 雑魚敵のくせに一定の確率でレベルを下げる魔法をかけてきたもんだ。 もっと凄いのになると、キャラが完全にロストする事もあった。 昔はあれを受け入れてたんだよね。 それが面白いって。 しかし、いまではレベルダウンの魔法ですらあり得ない。 だって、レベルはプレイヤーが費やした時間そのものであり、いわば成果と言うべきものでもあるんだから。 限りある時間を使ってプレイしたその成果をなかったことにするなんて、この忙しい世の中ではちょっと酷な話なんだろう。 ロストなんてした日には、どれほどの怒りが創り手に向けられるか、想像に難くない。 ところで、これから『ピクミン3』の後半部分について書くつもりなので、まだクリアしていない方は読まないでいただきたい。 『ピクミン3』には食料による日数制限がある。 おそらく『1』で日数制限がきつすぎて批判を浴び、『2』はなさ過ぎて簡単だと批判され、その中間を狙ってきたと思われる。 『1』のように最初からやり直す必要はなく、果物を回収してくればケツがどんどん伸びていく。 でも、最初はどれぐらい時間的余裕があるのか分からないから、かなりプレッシャーを感じながらプレイすることになる。 効率よくプレイするために、何回もやり直しながら私はプレイを進めていった。 実際には果物は思いの外たくさん手に入るので、果物を探すのに日数を費やさなくても、余裕はたっぷりあった。 ちょっと拍子抜けするぐらい。 あのイベントに到達するまでに、私は実に22日分の食料を蓄えることに成功していたのである。 問題はルーイが食料を持ち逃げするイベントである。 せっかく助けてやったのに食料全部持ち逃げするってどういうことだよ。 しかも超絶食いしん坊らしいんだ。 そんなのありかよ? いままで何回もリスタートしてきた成果じゃん、その食料。 私は激怒した。 今どきのゲームの有り様を考えれば、ルーイが捕まると共に食料は返ってくるだろうと想像はしていた。 しかし、別の可能性もある。 あまりにも食料に余裕がありすぎるので、ここらでいったんリセットさせよう、と創り手が考えても不思議ではない。 あるいは全部没収でなくても、ルーイを捕獲するのに懸かった日数×3ぐらい減るって事も考えられるな、ルーイの設定からすれば。 考えれば考えるほど、腹が立って腹が立って仕方なかった。 結局、ルーイを捕獲すると共に食料は返ってきた。 いくら任天堂がゲームを強いるメーカーであっても、成果を奪い取ることはさすがにできなかったんだろう。 もっとも、クリア時に食料は30日分余っており、返ってこなくても全然問題ないレベルでもあった。 腹を立てただけ無駄だった、というか、あんなに頑張って効率よくプレイする必要もなかったという結末である。 中盤までタブコンのストレスに晒され、Wiiリモコンを使い始めた途端にルーイに持ち逃げされ、捕まえたと思ったらすぐにエンディング。 なんか楽しかった時間、凄く短かったな。 せっかくのこれしかないという作品なのに、ずいぶんと損した感じだ。 |