これはビックリした。 『プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂』がこんなに面白いなんて。 最初から最後までずっと楽しかったな。 しかも、日本向け的な心配り満載。 UBIなんておフランスのメーカーさんに、これほどの作品が創れるとは夢にも思わなかった。 このゲームは、大昔にアップルU用として発売され、コンシューマーにも移植された『Prince of Persia』の名前を冠していることで話題になった作品である。 私が子供の頃、「アップル」っていう言葉には「なんか凄いらしいぞ」という響きがあって、心惹かれるものはあった。 せっかく秋葉に来たのに何一つ買いたいものがない!と途方に暮れていて、無駄遣いするつもりで買ったのは幸運だったな。 ゲームの内容を端的に説明すると、体操選手がサスケ(TBSの番組でやってるアスレチック競技)に出場した様なゲーム、だと思っておけばイイんじゃないか。 それじゃあ、伝わらないか・・・。 では、この『プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂』は、次に進む通路を見つけていくゲームだ、ということにしておいて欲しい。 この手のゲームは往々にしてプレイヤーの見落としで詰まってしまい、だんだん眠くなったりするのだが、この作品は違う。 とにかくどんどん進ませる。 ケチケチしてないのだ。 最初の方なんか、アクションを起こす場所に来ると、使用するボタンが画面下に表示される。 立ち上げの負荷を丁寧に取り除いているのだ。 しかも、一番最初にやったアクションにはスローモーションをかけていて、なんか「凄いことをやっているんだ!」っということをプレイヤーに上手く伝えているな。 今時のプレイヤーはなにが凄いことなのか、なにが面白いことなのか教えてもらわないとわからないので、こういう心配りはとても重要になってきていると思う。 凄いことをやっているんだ、と思わせることが負荷を乗り越えさせる力にもなるし。 おまけに、時間の砂を使って巻き戻せるので、プレイヤーは臆することなく仕掛けに挑むことができる。 これはありがたかった。 ゲームを進める上で失敗するかもしれない、時間が無駄になるかもしれない、という恐怖感はトライを妨げる方向に作用する。 ところが、時の砂の存在によって、この作用を抑えることが出来るんだ。 これは驚きだった。 結果として達成!達成!達成!の連続になる。 そうそう、申し訳程度に戦闘シーンもあるんだけど、これもまた上手いとおもった。 アクションはスゴク少ないが、極めて効果的に見せている。 カメラワークが上手いんだ。 なんかカッコイイ!っていう感じがある。 それはつまり、少ない喜びを増幅してやろう、ということだろう。 また、トドメを刺すときに無防備になるあたりは、ドキドキ感があっていい。(時の砂で時間が巻き戻せるので、敵が攻撃してきてもゲームバランスに大きく影響しない) 謎解きと戦闘を明確に分けている点も、プレイヤーを楽にさせているな。 そして、ここまで書いてきた全ての要素が「時間の砂」という設定によって上手くまとめられているのである。 もはやここまで来ると奇跡的としかいいようがない。 こんなに日本向けに仕上げられたゲームがあるなんて思いもよらなかった。 絵柄はあからさまに日本人受けしなさそうだけど。 おフランスのメーカーさんが全部創ったんだったら尚更ショックな事態だ。 今どきの日本人にフィットするゲームは今どきの日本人にしか創れないと思っていたのだが。 <追記 2005_02_02> とある記事によると、『プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂』を創ったのはUBIはUBIでも、モントリオールスタジオ(カナダ)なんだそうだ。 住んでるのはフランス系が多いから、まあいいか。 |