ゲットバス

向いてない 2002_02_14

 

釣りは気の短い人の方が向いている、などと世間ではいう。
果たしてホントか?
納得の行く説明をきいたことがないのだが。
だとすれば、私はよほど釣りに向いている事になる。
確かに釣りは好きといえば好きなのだが、残念ながら今はそんな心の余裕がないので、久しくやっていない。
しかし、私の経験上、釣りは釣れなければ面白くも何ともないものだ。
「こうやって糸を垂れ、ぼーっと過ごすのが良いのですよ」などとは夢にも思わないのである。

といった具合の書き出しになったのは、最近になって『ゲットバス』(釣りコントローラ付き)を手に入れたからだ。
なんと中古で1400円で売られていたのである。
大変お買い得だった。
遊んでみてびっくりしたことには、これは大変面白かったのだ。
当たり前のことだが、バスが釣れるのである。

おそらく「バス釣り」というものは、釣れるものなのだろう。
「釣れる」事が前提にあるから、「バスを釣り上げる」ことがスポーツとして成立する。
一度もやったことのない私がこんな事を書いて良いのか?とも思うのだが、それが『ゲットバス』をプレイした私の感想である。
同じ釣りでも「へらブナ釣り」みたいなのとは性質が違うのではないか。

バス釣りはスポーツなのだ。
だから、そこをゲームに出来る。
時間内にバラさずに出来るだけ大きなバスをたくさん釣り上げるというゲームに。
ルアーアクションでバスを誘う部分と糸が切れないようにリールを巻く部分にフォーカスする事によって、と言っていいかもしれない。
ゲームというものは、物事から面白さを抽出し、単純化し、デフォルメし、更に別の面白さを付加することができるのだ。
実際の釣りでは、水中のバスなど見えるはずもないが、小さいバスをフェイントでかわし、大きなバスを狙うのもゲームならではである。

これがいいんだよな、と私は思うのである。
たとえその面白さがホントの釣りには及ばないとしても。
だって、釣りに行く余裕もなければ、道具をそろえる意欲もないんだから。
私は『ゲットバス』が面白かったからといって、どこぞの湖に行こう!などとは考えず、『ゲットバス2』を買おう!と思うのだった。
短気な人が釣りに向いているかどうかは定かでないが、少なくとも心に余裕のない人間に釣りが向かないことは確かなようである。



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