こんな気持ちは初めてじゃない

こんな気持ちは初めてじゃない '99_01_21

          

ああ、なんて気分がわるいんだろう。
だけど、こんな気持ちは初めてではないような気がするんです。

「ONE 〜輝く季節へ〜」というエロゲーがあります。
あちこちで非常に良い評判を聞いていましたので、期待半分、疑い半分で、このゲームに臨みました。

なるほど、序盤から中盤にかけての、学生生活を描いた部分は特筆に値するように思うのです。
ですが、ラスト周辺の展開が納得できません。
主人公が周りの人々から忘れ去られていく、という展開は、どうにも理解できない。

確かに自分が周囲の人々にとって、どうでもいい人間なんじゃないか、と思うことはあります。
それでも、本当に忘れ去られてしまうというのは納得いかないのです。
難解なシナリオ、といって済ませてしまえない、そんな気がします。

ここまで書いてきましたが、実はこの稿では「ONE 〜輝く季節へ〜」について書こうと思っているわけではありません。
なぜこのゲームを楽しめなかったのか?、ということを私は考えています。

ファーストプレイの時、主人公の性格がすごく気になった。
なんかステロタイプな気がしたのです。
次に思ったのは、障害者を2人も持ち出していいのか、ということです。
なんだか卑怯な気がしました。
そして決定的だったのが、主人公の妹が死ぬシーンでのリフレインです。
リフレインというのは、文章の繰り返しのことを指します。
自分自身がテクニックとして使うせいもあるんでしょうが、激しい嫌悪感に襲われたのです。

こうなってしまうと、どうにもならなくて、ラストの部分を受け入れることが出来なくなってしまいました。

私はひょっとしたら、もっとこのゲームを楽しめたんじゃないか、という風にも思っています。
はじめに主人公の性格が気になったのは、このゲームの評判が非常に良かったからではないかと、自分を疑っているのです。
もし素直にこのゲームに向かえていたら、そのあと自分を襲った作用は起らなかったのではないかと。

こういったことは、これが初めてじゃないような気がします。
今までも過ちを繰り返してきたんじゃないだろうか?
そう思うと、とても気分が悪いのです。

これじゃダメなんだ。
もっとニュートラルな気持ちでゲームに臨みたい。
いつもそう思うのですが、なかなかままなりません。


<注>
文中に「エロゲー」という言葉を使っていますが、特にこのゲームを貶めるつもりではありません。
エロゲーをエロゲーと呼ぶことが出来ないことを、私が激しく嫌うので、あえて書いたにすぎないのです。

<あとがき>
久々に『です・ます』調で書いてみた。
こっちの方が落ち着くなあ。

<後記 '99_05_28>
もう一度やり直してみて、理解が足りなかったことに気付いた。
主人公は永遠を欲して消えるのであって、自分の存在を危うく感じているわけではなかった。
でもやっぱり納得いかない。
掛け違ったボタンをかけ直すのは難しい。


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