ああ、なんて気分がわるいんだろう。 だけど、こんな気持ちは初めてではないような気がするんです。 「ONE 〜輝く季節へ〜」というエロゲーがあります。 あちこちで非常に良い評判を聞いていましたので、期待半分、疑い半分で、このゲームに臨みました。 なるほど、序盤から中盤にかけての、学生生活を描いた部分は特筆に値するように思うのです。 ですが、ラスト周辺の展開が納得できません。 主人公が周りの人々から忘れ去られていく、という展開は、どうにも理解できない。 確かに自分が周囲の人々にとって、どうでもいい人間なんじゃないか、と思うことはあります。 それでも、本当に忘れ去られてしまうというのは納得いかないのです。 難解なシナリオ、といって済ませてしまえない、そんな気がします。 ここまで書いてきましたが、実はこの稿では「ONE 〜輝く季節へ〜」について書こうと思っているわけではありません。 なぜこのゲームを楽しめなかったのか?、ということを私は考えています。 ファーストプレイの時、主人公の性格がすごく気になった。 なんかステロタイプな気がしたのです。 次に思ったのは、障害者を2人も持ち出していいのか、ということです。 なんだか卑怯な気がしました。 そして決定的だったのが、主人公の妹が死ぬシーンでのリフレインです。 リフレインというのは、文章の繰り返しのことを指します。 自分自身がテクニックとして使うせいもあるんでしょうが、激しい嫌悪感に襲われたのです。 こうなってしまうと、どうにもならなくて、ラストの部分を受け入れることが出来なくなってしまいました。 私はひょっとしたら、もっとこのゲームを楽しめたんじゃないか、という風にも思っています。 はじめに主人公の性格が気になったのは、このゲームの評判が非常に良かったからではないかと、自分を疑っているのです。 もし素直にこのゲームに向かえていたら、そのあと自分を襲った作用は起らなかったのではないかと。 こういったことは、これが初めてじゃないような気がします。 今までも過ちを繰り返してきたんじゃないだろうか? そう思うと、とても気分が悪いのです。 これじゃダメなんだ。 もっとニュートラルな気持ちでゲームに臨みたい。 いつもそう思うのですが、なかなかままなりません。 <注> 文中に「エロゲー」という言葉を使っていますが、特にこのゲームを貶めるつもりではありません。 エロゲーをエロゲーと呼ぶことが出来ないことを、私が激しく嫌うので、あえて書いたにすぎないのです。 <あとがき> 久々に『です・ます』調で書いてみた。 こっちの方が落ち着くなあ。 <後記 '99_05_28> もう一度やり直してみて、理解が足りなかったことに気付いた。 主人公は永遠を欲して消えるのであって、自分の存在を危うく感じているわけではなかった。 でもやっぱり納得いかない。 掛け違ったボタンをかけ直すのは難しい。 |