Firewatch、STEAM版

淡い物語 2018_12_03

 

いつも書いていることだが、私はストーリーを予想しながらプレイしている。
予想することもゲームだからね。
舞台設定から推測して、書く側の気持ちになれば、おそらくこう展開してくるだろう、と予想しているわけである。
当然のことながら、予想を外された方がプレイした価値があるといえる。
自分の中にないものを経験することが出来るわけだから。
しかし、こういう外し方があるのか、とちょっと驚かされた作品があった。
先日のオータムセールで購入した『Firewatch』は予想外の淡さだったな。

このゲームの主人公は自然保護区の火災監視員である。
若年性アルツハイマーに罹った妻を施設に預けた負い目から、人を避けたくてこの仕事に就いた。
人との繋がりは無線で連絡できる会ったこともない女性とのやりとりだけ。
こう来たら、私としては当然、一人になることで逆に人との繋がりの大切さを痛感するような展開を予想するでしょ。
それがね、いや、ないことはないのだが、とにかく薄い。

基本的にただ乾燥したフィールドを歩くだけ。
フィールドを歩きながら、無線で会話する。
荒野の中で会話の切っ掛けになるイベントを見つけることがゲームなのかな。
狭義の意味ではゲームとして特にどうということはない。
勢い興味はストーリーに集中することになる。

中盤ぐらいから、それなりにミステリアスな展開にはなった。
しかし、全然味付けはしないんだ。
酷く素っ気ない。
結局最後までずっとそのまんまだった。
特に何かを強く主張しているわけではないし、何かの教訓を押しつけようとしているわけでもないようだ。
でも、逆にリアリティはあったね。
ホントに、まあ、そうだろうねっていう終わり方。

これは確かにインディーズならでは、のゲームだな。
パッケージで発売するんだったら、もっと劇的な展開にしないと満足してもらえないだろう。
こんな淡いお話でも成立するのが良いところなんだろうな、インディーズの。


<余談>
このゲーム、NS版が近々発売されるらしい。
しかし、STEAMで半額セールやってるゲームをフルプライス(本来の意味での)で購入するのって勿体ないでしょ。
NSはインディーズがよく売れるって話を聞くけど、すごく不思議。


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