スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園

今週がんばった『仲間』 2012_09_04

 

中1の頃、私は学習活動委員という役職に就いていた。
各教科係のとりまとめ役であり、学級委員の下に位置する中間管理職的なポジションであった。
教科係がヘマをやらかすと、帰りの会で私がつるし上げを食らうハメになったものである。
教科係のとりまとめ以外にも私には、学生が授業に積極的に取り組むように促す仕事も与えられていた。
そのために私は、今週頑張った学生を掲示板に張り出さなければならなかった。
決してやりたかったわけじゃない。
発案したのは担任教師なのである。
にもかかわらず、あたかも私が自発的にやっているような体裁になっていた。
全く恐ろしい組織だったよ、あそこは。
まあ、それはともかく、掲示物を作成していて私は迷った。
「今週がんばった『子』」と書くか、「今週がんばった『人』」と書くか。
たまたま背後を担任が通ったので、どちらがイイですかね?って訊いたら、驚くべき答えが返ってきたのである。
「今週がんばった『仲間』だろ」って。
仲間!?
仲間って・・・そんな馬鹿な、と私は思ったものである。
自分の意思で入る部活とかならともかく、誰かに勝手に決められたクラスメイトが有無を言わさず仲間だなんて。
そんなことでいいの?
結果的に仲間だと思えればいいんだろうがね。

ところで、このところ私は『スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園』をプレイしていた。
見るからに『ダンガンロンパ』の続編である。
前作がトンデモエンディングだったから、どんな続編になるのかと思ったが、期待を裏切らない真っ当な続編だった。
いや、面白かったよ。
ゲームの方も、証拠と結論をつなぐロジックの距離が少し遠くなったから、褒めやすい印象だ。
ミニゲームとか射撃部分より、考えるところが大事だからね。

でも、どこが一番面白かったか、といえば私はコロシアイが起こる前が楽しかったな。
誰が誰を殺すんだろって考えているときが一番面白かったのである。
というのも、みんな仲間じゃんって感じがするんだよね。
仲間同士でコロシアイなんてダメ!
記憶を失っているからみんな初対面のはずで、当然に仲間だとは言えないはずなんだけど。
何でだろうな?
コロシアイを誘発するように、場合によっては絶対コロシアイが起きるように仕向けられるから、当然コロシアイになるはずなんだけど、起こって欲しくないって気分になるんだよ。
いわゆる「吊り橋理論」みたいなものがプレイしているこっちにまで波及してきちゃうのかな。

それでもコロシアイは起きる。
橋が5本あるから、5回ぐらいは起きちゃうんだろうなと想像はつく。
起こって欲しくないけど殺すとすれば誰がやるだろうか、どこかに伏線は張ってあるだろうか、って考えている時が楽しかった。
コロシアイが起きた後は半ば作業的になっちゃうからね。

このゲームの肝は、やっぱりコロシアイが起きて欲しくないって思えるキャラクター作りにあるんじゃないか。
終わってみると、みんな仲間だったって気がするよ。
状況的にはもっと殺伐としていてもおかしくはないはずだ。
でもそうすると、トリックばっかりに目がいくゲームになってしまうだろう。
たぶんこのゲームの面白さはそこじゃない。


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