マリオカートDS

任天堂は恐れている 2005_12_12

 

私はあんまり「マリオカート」系が好きじゃない。
邪魔されるのイヤなんだ。
自分の決めたラインを納得のいくように走るのが好き。
しかし、今回は「WiFi」対応だということで、『マリオカートDS』をやってみる気になった。
世界の見知らぬ人たちと対戦するのって、なんかワクワクするじゃない。

一方で私はかなり高い確率で、あまり面白くないだろう、とも予感していた。
今回のはホントにただ対戦するだけらしいから。
以前にも書いたことがあるけど、見も知らぬ人と闘ったってなかなか本気になれないし、対戦相手の背景がわからなければ良くできたAIと何にも違わない。

実際にやってみると、プレイ前の期待は両方正しかった。
見知らぬ人とつながっていると思うと、ちょっとワクワクする。
しかし、やはり一方で、これ意味あるんかいな、とも思った。
同じ人たちと連続して走っていると、多少「コノヤロウ!」という気持ちにもなるんだけど、途中で抜ける人がいて、なかなか4人で走り続ける状況にはなれない。
対戦相手に思い入れが出来るまで走らないと面白くないだろう。
やっぱり友達同士で走るのが一番楽しいんだろうな。
一人でやるなら、COM戦の方が楽しいかもしれない。
ゲーム自体はすごく気に入っている。

ただ任天堂はもうちょっとネットワーク対戦を楽しくすることは出来たはずだ。
対戦相手とコミュニケーションを取ったり、次回の対戦を約束するメッセージを出したり、やりようは幾らでもあったろうに。
それをやらないのは、やはり任天堂が恐れているからなんだろうな。
任天堂のゲームを通じて知り合った人たちが集団自殺を起こしたり、あるいは犯罪仲間を募ったり、なんてことが一件でも起こらないように。
一件でも起こったら、せっかく自らが創りだしたこのNDSのムーブメントを潰してしまうことになるから。
恐れて恐れすぎることはない、という判断なんだろう。
「WiFiコネクション」の3大原則の一つ、「安心」はかたくなに守らなければならないのである。

私だったら、ネットワークでプレイヤーの登録ぐらいは出来るようにするけどね。
対戦成績や自己紹介を載せる公式ページを作って、閲覧できるようにしておく。
危ないから連絡先なんかは書かせない方がいいだろう。
そのうち、やたらとうまい人や特徴的な走りをする人がプレイヤーの間に知られていって、「バーチャファイター」の鉄人みたいなのが生まれたら面白いかもしれない。
ネットワーク対戦で、あの「鉄人」と戦えるかも!、なんて雰囲気が生まれると、もっと楽しくなるんじゃないかな。

「WiFi」にはもっと力がある。
いまいちかな、と思いながらも対戦相手を探している自分が現にいるので、より強くそう思う。



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