いわば視聴者の勝利である。 私の知る限り、動画サイトはほぼすべて早送りできるようになった。 アマゾンプライムだってPCであれば早送りできるからね。 これによって動画の価値は、創り手ではなく視聴者側が決められるようになったと言えよう。 つまらない動画でも早送りすれば見るに値することもあるのである。 例えば私について言えば、「COLD CASE」という激つまらない一話完結の米ドラマをここまで80話ほど観てきた。 昔の未解決事件を再捜査するドラマなのだが、証拠もないのにすぐに犯人がゲロっちゃう。 くっだらねぇ!と毎回つぶやいているのに80話も観てしまったのは、早送りできるから。 2倍速でかつトレーニングしながらであれば、まあ観てもいいか、と思えた。 その程度の価値しかないともいえるが、その程度の価値ならあるともいえる。 それは私が決めるのだ。 ところで、ゲームの話である。 前から言っているのだが、なぜゲームの動画は早送りできないのか? ゲームだけ特別なわけないじゃん。 だって見てるだけなら、ゲーム中であろうが動画は動画なんだから。 ホントに一倍速の価値があると思って、その動画を作っているのか?と問いたくなることはしばしばある。 例えば『真・女神転生V』の中だったら、悪魔が少女を誘惑するシーン。 学校でいじめられている少女に、融合して仕返ししようと悪魔が誘惑する動画が何回か出てくるのだが、主人公はそれをただ見ているだけ。 私は、悪魔に喋らせるなよ、と思ったね。 すぐ止めに入ればいいじゃん。 それを時間かけて見させられているのが我慢ならなかった。 どういうつもりでこれを私に一倍速で見せたのだろうか?と思わずにはいられなかったね。 テキストだけなら、そんなに気にならないかもしれないが。 他にもあるよ。 例えば、最近やり始めた『メガトン級ムサシ』。 やり始める前にYoutubeでアニメを2話まで観た、『真・女神転生V』の経験値稼ぎしながら1.5倍速で。 情報を頭に入れておいた方がいいかな、と思って。 ゲームの序盤はほぼアニメと同じ、というか、アニメとゲームで素材を共有しているのかな。 まあ、ほぼ同じ話ですよ。 ところが、Youtubeは早送りできるのにゲーム中は早送りできない。 そんなバカな話ある? Youtubeは初見から早送りできるのに、新規な情報が減っているはずのゲームでは早送りできないなんて。 そんなのおかしいじゃん。 結局のところ、時間を使うのは同じなんだから、ゲーム中であろうが関係ないのだ。 動画の価値を見る側が決める時代に、ゲームの中だけ創り手が決めていいはずがない。 一倍速で見せるならそれなりの価値があるものを見せないと。 もちろん創り手が意地を張るのは自由だが、その価値がないと判断する人には見てもらえない、つまりゲームを買ってもらえないことになるはず。 たくさんの人に買って貰いたければ、見る側の価値観に合わせないと。 いずれそうなるなら、早いうちにやっておいた方がいいと思うね、私は。 動画サイトがここまで揃って早送りに対応してきたところをみると、どうせ避けることはできないよ。 |