人類は衰退しました、こびとづかん こびと観察セット

妖精さんがいたらいいのに 2012_10_04

 

田中ロミオの「人類は衰退しました」がアニメ化された。
ライトノベルとはいえ小学館から出版できるだけでも大出世だと思っていたのに、まさかアニメ化されるとはね。
もう一本別に映画のラインも走ってるっていうから驚きだ。
近頃はアニメの原作が足りないそうだから、彼ほどの才能が見出されない方が逆に不自然だったのかもしれない。
もっとも大ヒットにはならなかったそうで、営業的に成功はしない辺りが彼らしいといえばそうなのだが。

アニメ版は時系列がシャッフルされていて、妖精さんが大活躍する話が後ろの方に集中していた。
なぜ順番に見せなかったのか、理由は分からない。
尺も全然足りてなくて、伏線張らずに結論だけ描いているような印象を受けた。
最初はあんまり面白くなくて、ロミオはつくづく運が悪いな、と思ったものである。
でも、妖精さんはやっぱり可愛いからね。
1クールあっという間に終わって、寂しいような気にはなっていた。
そこで、なんか妖精さん出てくるゲームないかなーと検索して見つけたのが、『こびとづかん こびと観察セット』である。
あくまでも「こびと」であって妖精でないことは分かっていた。
パッケージに描かれているこびとの絵もちょっとおかしい。
こびとはまるで漫画太郎がデザインしたかの如く陰鬱な面持ちである。
それでもプレイせずにはいられないほど、私は妖精さんを欲していた。

しかし、そこはそれ。
やはり「こびと」を「観察」して「づかん」にするわけで、私が望んでいた物ではなかった。
どうもこびとは真っ当な生物という設定のようだ。
知性はあまりないらしい。
ほとんど小動物と変わらないな。
珍しい生態を見つけては写真に撮って、アルバムを埋めていく。
観察って基本的に待ちだから、とても退屈。
やってることが狙いと違っていても、違っていることが分かるまで時間が掛かるから、イライラして仕方ない。
だめだ。
これは違う。
私が欲しいのは妖精さんなんだ。
妖精さんなんてのは、そもそも人間がこうであって欲しいと思う有り様でいいんだ。
にんげんさんのことが大好きで、人間の遊び相手になってくれたっていいじゃないか。

たとえば、携帯ゲーム機のカメラ機能を使って、部屋の中に妖精さんが暮らしているような感じにならないだろうか。
仲良くなったら、「ごていあんあります」とかいって、部屋の隅にモニュメントでも作り始めたら面白いじゃない。
で、にんげんさんが壊す。
都合が悪くなったら、大きな音を立てればリセット完了とか。
そんなんでいいんじゃないかな。
私が求めているのは、その程度の妖精さんだ。


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