ザンキゼロ、PSVita版_2

それはそれとして、これも 2018_08_23

 

いつも書いている事だが、テレビゲームは得をするものである。
得をするための方法はいろいろあって、これでなければならないという法はない。
ゲームをクリアする事自体が面白くなくても、代わりに別のご褒美を用意する事でプレイヤーのやる気を引き出しても構わないだろう。
しかし、ご褒美はご褒美でいいとして、ゲームが面白ければそれに越した事はないはず。
これから私が書くのは、そんな当たり前の話である。


前回に引き続き、『ザンキゼロ』の話である。
私はこのゲームのダンジョンが気に入らないのだ。

ダンジョンには通れない壁などがあり、謎解きをしながら先に進んでいく。
それは別にいい。
謎解きが特に悪いと思っているわけでもない。
問題なのは、なにも演出がない事。
状況の説明は画面左側に小さい文字で表示されるだけなので、今自分が何をしているのかよく分からない。
何のために何をしてどうなったか、全く説明してくれないんだよ。
ヒントや世界観を補強するテキストなどはそこら中に落ちているのだが、それを読むにはオプションを自分で開かなきゃならない。
面倒だから放っておくと、なんだかよく分からないうちに謎を解いて、解いたおかげで進めたのかもよく分からない、という事態になるのである。
少なくとも中盤ぐらいまでは、苦労している割にあんまり達成感みたいなモノがなかった。
折角だから、謎解きにも価値付けをしたり、解いた喜びを煽ったりしてやればいいのに、と私は思うのだが。

じゃあ、創り手は何がプレイヤーの喜びになると考えているのかといえば、それはもう「エクステンドTV」しかない。
「エクステンドTV」ってのは、ある人物が復讐のために作った、主人公キャラ達の不幸な生い立ちをドラマ仕立てで紹介する番組である。
この番組の司会をやってる二人に、超大物ベテラン声優を起用していて、その筋の皆さんには訴求力がありそうではある。
私はまあまあ嬉しかったよ、個々のお話の好き嫌いを別にすれば。
でも、みんながみんな喜ぶかといったら、そうでもないような気もするんだ。
狙っている購入層が声優オタクオンリーだとしたら、それはそれでこんなに難しいゲームを好むとは思えないしね。

「エクステンドTV」は「エクステンドTV」でいいとして、ダンジョンはダンジョンで喜びを大きくするような仕組みを入れてもいいんじゃないか、と私は思うのである。
「エクステンドTV」があれば、他はもう要らないってのがよく分からない。
ダンジョン以外のところで、サバイバル要素や寿命が効いてくるので、かなり面倒なゲームなんだよ、これは。
その認識の上に立てば、直近の目標をハッキリさせたり、小さく前進する度にそれを確認するような演出があってしかるべきなのではないか。
このゲームはホントに、イヤだな、辛いなって、そんなんばっかりだったな。


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