トゥルーラブストーリー3

ある実験 2001_09_09

 

いま『トゥルーラブストーリー3』をプレイし終えたところである。
う〜ん、と思っている。
これじゃやっぱりダメなんじゃないか?
私のようにはじめからギャルゲーをやる気満々の人間はいいが、そうでない人は絶対手を出さない。
なぜならば、そこには「ゲーム」がないからだ。

ただイベントを見せていくだけで、どうして普段ギャルゲーをやらない人たちまでを巻き込んでいけよう。
予想以上に一般人の拒絶反応は強いのだ。
かつて『ときメモ』が累計百数十万本売れたという事実は、普段ギャルゲーをやらない人たちまでも巻き込んだという証明であり、それは『ときメモ』がゲームであったということの証でもある。
ムーブメントを起こすにはどうしてもゲームでなければならないだろう。
『トゥルーラブストーリー3』はハナからそこまで狙ってない、といってしまえばそれまでなのだが。

私は実験したことがある。
『ときめきメモリアル』と『トゥルーラブストーリーR』のどちらがより素晴らしいギャルゲーなのか。
もう3年以上も前のことになるはずだが。

当時の学生たちは何故か研究室によく泊まりたがった。
夜通し実験するといっては、ゲームで遊んでいたのである。
研究室にはPSと64が置いてあったのだ。

そこで私は、彼らに両ゲームをやらせてみることにした。
別にやれといわなくても、そこら辺に置いておけば、彼らは勝手にプレイしてくれたのである。
私はこのために、自分は結局一度もプレイしなかったPS版の『ときメモ』を購入した。
もっとも学生たちに、見たことのなかった館林エンディングを見せてもらうことになるのだが・・・。

さて、実験の対象となるのは、概ね5人ほどである。
本人達のいうことを信じれば、ギャルゲーなど普段はやらない連中でだった。(やっていそうな容姿だからといって疑ってはいけない)
ゲームを与えてから3週間ほども経ち、十分プレイしたことを見計らって、私は聞き取り調査を開始した。
もちろん、どっちのゲームが面白かった?などと直接的に訊くのではない。
ゲームの話をふってみて、反応を確かめるのである。

実をいえば、私はこの当時、『トゥルーラブストーリーR』の方が受けるだろうと思っていた。
この時点で既に『ときメモ』は、私たちには荷が重いでしょ?という気がしていたのである。
まさか後になって自分で自分のことを「ときメモラーだ!」とか言い出すとは、想像だにできなかった。

ところが聴き取り調査の結果は、私の予想を大きく裏切るものだったのだ。
彼らは『ときメモ』の話しかしなかった。
『トゥルーラブストーリーR』は恥ずかしいゲームなので、プレイしたこと隠しているのではないかと思ったのだが、どうも彼らは本当に興味を示さなかったようである。
よくよく話を聞いてみると、彼らはこれはどの辺がゲームなの?というのである。
やる意欲が湧かないと。

なるほど、そうである。
『トゥルーラブストーリーR』には、ほとんどゲームらしい要素はない。
『ときメモ』から負荷をそぎ落として、木っ端恥ずかしさをエンハンスしたのだ。
「うおお、恥ずかしいぜ!」と顔を手で覆いながらプレイするのが楽しいのである。
しかし、人間というのは自分がどう見えるのかを気にしてしまうものであり、そんな自分には納得できない!という向きは大いにあるらしい。
これが歴としたゲームなんだ!と思わせられなければ、非ギャルゲーマーを獲得できない、というのがこの実験から得られた結論である。

その一方で、必ず買ってくれるギャルゲーマー達は、必ずしも負荷を望んでいない。
私達はみな根性なしなのだ。
勢い、多くのギャルゲーはゲームを提供できなくなる。
そうすると普段やらないプレイヤーは絶対買わない。

ということは、今後ギャルゲーがブレイクする!なんて事はなさそうである。
『トゥルーラブストーリー』シリーズが今後続くとしても、やはりそうだろう。
それが寂しいことなのかどうか、今のところ私にはわからない。



<追記>

これは2ヶ月以上も前に書いたものを再現したものです。
ハードディスクがクラッシュして消えてしまったので。
文中の「いま」は今日現在ではありません。


戻る