極限脱出ADV 善人シボウデス

まずはゲームを 2012_03_14

 

歳をとったせいか、ゲームのシナリオが大抵飲み込めない。
のみならず、腹も立つ。
なんだか知らないけど、あらゆることが気に入らないんだ。
ゲームは楽しまなきゃいけないのに困ったもんだよ。
そういえば、世界一を目指していたことをすっかり忘れてた。
重ねて弱ったもんだ。
しかし、プレイヤーはなんだかんだ文句言うもんだから、創り手はそれも見越して、反発をかわすような工夫をしてもいいんじゃないか。
そういう工夫があったから、私は『極限脱出ADV 善人シボウデス』をそれなりに楽しむことが出来たのかもしれない。

いやしかし手強かった、『極限脱出ADV 善人シボウデス』は。
猛烈なトンデモ理論が展開されていく。
これを素直に受け入れるのって、そう簡単じゃなかった。
だいたいよお、シュレーディンガーの猫って疑似ループの言い訳に何回使ったら気が済むんだよ。
書いてる人は一回しか使ってなくても、こっちは幾度となく聞かされてるわけだから、どうしても陳腐に感じられてしまうでしょ。
閉じ込められる猫も気の毒だぜ。
もうやめてあげて!

それにまたイヤらしいんだ、騙し方が。
タイトルを見ても想像がつきそうなもんだが、いかにも脱出+ライアーゲーム?みたいに思わせつつ、実は・・・っていう展開。
どうしても鼻につくよね。
予想外の展開にしなければ面白くないのは分かるけど。
6分の1とか数値が出てくると、想像がついちゃう部分もあって、そんなに予想外ってわけでもないしなあ。

テンポもあんまりよくない。
メンツが変わるだけで、あまり変わり映えのしない展開が長く続く上に、移動が遅い。
どうも推理面を推しているらしくて、割と移動経路を明示しようとするんだけど、それが本質的に重要だとは私には思えなかった。
あれもサスペンス的な演出で騙しに掛かっているのかな。

こう書いていくと、全然面白そうじゃないでしょ?
でも私は結構楽しめた。
まず最初に脱出ゲームをやらせたのがよかったな。
ワケの分からんシナリオを聞かされるより、まず脱出ゲームをやる方が断然気持ちが乗ってきた。
あれでずいぶん救われた面があったんじゃないか。
脱出ゲームとして楽しめばイイじゃん、という割り切りが自分の中で上手く出来たな。
シナリオはあんまり深く考えない。
裏切るかどうか、あんまり悩んでも仕方ない、意味がない。
お話に身を任せ、事実上一本道に近い脱出ゲームをどんどんやっていく。
どうやったって結局全部やるんだから。
謎解きはそれほど難しくないけど、必ずメモを取ってやらなければならないタイプのモノが多くて、かなりやった感は得られる。
3DSのメモ機能では全然足りなくて、私は紙に書いてやったけど、その方が満足感は高かったな。

このゲームを終えて、悪い印象は全くないね。
考えてみると、たぶん最初がよかったんじゃないかな。
我こそはゲーマーでござい!って連中にはまずゲームをやらせておけば良いのかもしれんね。
ゲームをやらせておけば、そうそう文句の言いようもないよ。


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