歳をとったせいか、ゲームのシナリオが大抵飲み込めない。 のみならず、腹も立つ。 なんだか知らないけど、あらゆることが気に入らないんだ。 ゲームは楽しまなきゃいけないのに困ったもんだよ。 そういえば、世界一を目指していたことをすっかり忘れてた。 重ねて弱ったもんだ。 しかし、プレイヤーはなんだかんだ文句言うもんだから、創り手はそれも見越して、反発をかわすような工夫をしてもいいんじゃないか。 そういう工夫があったから、私は『極限脱出ADV 善人シボウデス』をそれなりに楽しむことが出来たのかもしれない。 いやしかし手強かった、『極限脱出ADV 善人シボウデス』は。 猛烈なトンデモ理論が展開されていく。 これを素直に受け入れるのって、そう簡単じゃなかった。 だいたいよお、シュレーディンガーの猫って疑似ループの言い訳に何回使ったら気が済むんだよ。 書いてる人は一回しか使ってなくても、こっちは幾度となく聞かされてるわけだから、どうしても陳腐に感じられてしまうでしょ。 閉じ込められる猫も気の毒だぜ。 もうやめてあげて! それにまたイヤらしいんだ、騙し方が。 タイトルを見ても想像がつきそうなもんだが、いかにも脱出+ライアーゲーム?みたいに思わせつつ、実は・・・っていう展開。 どうしても鼻につくよね。 予想外の展開にしなければ面白くないのは分かるけど。 6分の1とか数値が出てくると、想像がついちゃう部分もあって、そんなに予想外ってわけでもないしなあ。 テンポもあんまりよくない。 メンツが変わるだけで、あまり変わり映えのしない展開が長く続く上に、移動が遅い。 どうも推理面を推しているらしくて、割と移動経路を明示しようとするんだけど、それが本質的に重要だとは私には思えなかった。 あれもサスペンス的な演出で騙しに掛かっているのかな。 こう書いていくと、全然面白そうじゃないでしょ? でも私は結構楽しめた。 まず最初に脱出ゲームをやらせたのがよかったな。 ワケの分からんシナリオを聞かされるより、まず脱出ゲームをやる方が断然気持ちが乗ってきた。 あれでずいぶん救われた面があったんじゃないか。 脱出ゲームとして楽しめばイイじゃん、という割り切りが自分の中で上手く出来たな。 シナリオはあんまり深く考えない。 裏切るかどうか、あんまり悩んでも仕方ない、意味がない。 お話に身を任せ、事実上一本道に近い脱出ゲームをどんどんやっていく。 どうやったって結局全部やるんだから。 謎解きはそれほど難しくないけど、必ずメモを取ってやらなければならないタイプのモノが多くて、かなりやった感は得られる。 3DSのメモ機能では全然足りなくて、私は紙に書いてやったけど、その方が満足感は高かったな。 このゲームを終えて、悪い印象は全くないね。 考えてみると、たぶん最初がよかったんじゃないかな。 我こそはゲーマーでござい!って連中にはまずゲームをやらせておけば良いのかもしれんね。 ゲームをやらせておけば、そうそう文句の言いようもないよ。 |