ゲームスケジュールが少し空いたので、前からプレイしようと思っていた『デモンベイン』を始めることにした。 『デモンベイン』というのは、エロゲー界では「ちょっと凄いらしいですよ」と評判の「NITRO+」が発売したノベル系のエロゲーである。 例によって内容を説明する元気はない。 ところが間の悪いことに、私の秋葉原巡回ルートにPC版の『デモンベイン』がたまたまなかった。 いつもは大抵あったのだが。 今まで2年近くほかっておいたのに、いざやるとなったらどうにもやりたくて、仕方なくPS2版の『デモンベイン』を購入した。 買ってから気づいたのだが、PC版とPS2版ではタイトルが違う。 PC版は『斬魔大聖 デモンベイン』、PS2版は『機神咆吼デモンベイン』だった。 タイトルの違いが内容にどう影響するのかはわからない。 しかし、少なくともPS2版はエロゲーではなくギャルゲーなんだろう。 その辺は今はどうでもいい。 プレイし始めて(プレイといっても読むだけだけど)、私はものすごい拒絶反応を起こしたのである。 テキストがいやらしいのだ。 ストーリーテラーモード(勝手に命名)になると、やたらと同じ事を別の言葉で言い換えたり、一見凄く具体的でその実酷く曖昧な描写が多かったりで、言葉を玩んでいるようにしか思えなかった。 文章ってのはジグゾーパズルみたいなものなんじゃないかと、私は最近よく思う。 それも出来上がりの自由な。 文法があるから、ハメ方には一定のルールがあるけど、出来上がる絵は自由なのである。 そういう意味では、文章を書くということは一種のパズルゲームなのかもしれないな。 ところが、『デモンベイン』のストーリーテラーモードはピースをはめることばっかりに力が注がれていて、なんの絵を描いているのか全然わからない。 ホンマに自分で何を描いとるのか、わかって書いとんのか? ふざけるな! 書き手に対して私は強烈な嫌悪感を持った。 こういうのは多分に感性の問題なので、私が感じたいやらしさを伝えることは難しいかもしれない。 まあ、でもせっかく買ったし、ギャルゲーだと思ってそこは耐えることにした。 イヤなことに時間を使うと腹が立つので、出来るだけトレーニングしながら進めていくのだ。 このゲームは文字表示スピードと文字送りスピードを別々に設定する機能があるので、オートモードをトレーニングしつつ読み進められるギリギリのスピードに調整した。 更に音声ON/OFFをキャラ別に設定できる機能を使って、メインキャラ以外の音声をカットして時間を節約することにした。 それにしても長い長い。 ものすごく長い物語で、スクワット・ダンベル・腕立て・腹筋色々やったな。 部屋の中で出来そうなことは大概やったように思う。 同じ事ずっとやってると飽きてくるので、ローテを組みながらやっていった。 メインヒロイン(と思われる)のエンディングを2つ観るところまで辿り着いたときは、「俺、スゴイな」と思った。 あのいやらしさに耐えてよく頑張った、自分。 耐えに耐えたおかげで、エロゲー版を買っておけば良かったと思う程度にはキャラも立った。 最終的には物語にもちょっとだけ感動した。 体にも良かった。 自分のゲームを楽しむ才能を少しだけ見直した。 <語句説明> ストーリーテラーモード:無属性の語り部モードのこと。 このゲームには不思議なところがあって、語り部の主観が主人公寄りになったり、ヒロイン寄りになったり、無断でコロコロ変わる。 語り部モードの中でも無属性の部分を特にストーリーテラーモードと命名してみた。 |