数陣タイセン

短かった小さなゲームの時代 2010_09_19

 

DSが末期に入っていることはかなり前から感じていた。
別に3DSが発表されたからではなく、ゲームの内容から末期感が伝わってくるんだ。
発売される多くのゲームがこなれている反面、新鮮みのある作品はほとんど出なくなっていた。
ゲーム機のライフサイクルは5年とかってよく言うけど、5年も経つとやり尽くしちゃうもんなんだろう。
DSだけが特別じゃいられなかったわけだ。
それは致し方ないけど、同時に小さなゲームの時代も終わろうとしているのは残念なことである。

今頃になってDSの『数陣タイセン』をプレイしていた。
もう3年も前の作品なのだが。
1から5の数字が描かれたパネルをつなげて得点を競い合うパズルゲームだ。
なぜ風水と絡めたストーリー展開にしたのかは不明だが、基本部分は非常に面白いゲームだった。
名前に「タイセン」と入っているだけあって、対戦相手さえいればいつまででも遊んでいられそうな作品である。

ただこの3年ですっかり変わってしまったな、こういう小さいゲームの立ち位置は。
パッケージでこういう小さいゲームを売るのは難しい。
携帯で無料ゲームが遊べたり、基本無料のソーシャルゲームが流行っていたりで、小さなゲームにお金を出す素地が失われてしまった。
ゲームの世界にもデフレの波が襲ってるよな。
実際、いま現在の感覚だと、『数陣タイセン』を定価3800の八掛けで買う、とかちょっと考えられない。
精々500円でしょって気はしている。

これから3DSが出てくると、もう小さなゲームを作るプラットフォーム自体がなくなっちゃう。
3DSはかなりのパフォーマンスがあるらしいからな。
DSのソフトも動くんだから、たぶんDSの再活性化みたいなことは任天堂もやると思うけど、それでも消費者は何か価値付けをしないと小さなゲームにはお金を出さないだろう。
小さなゲームの時代はあまりにも短かった。
別に小さなゲームが終わった訳じゃないけど、パッケージで小さなゲームを遊ぶ時代は終わったかもしれない。

私なんかはパッケージじゃないとやる気しないんだけど。
無料ゲームとか、ダウンロード作品は作り込みが甘い気がして。
少なくとも私に関しては、小さなゲームで遊ぶ機会自体がなくなっていきそうである。


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