エリュシオン

私は知識が欲しい 2000_10_21

 

『エリュシオン』というエロゲーをクリアした。
その時私が思ったのは、もっと知識が欲しい!ということだったのだ。

このゲームには素晴らしい点がいくつもあるが、ここではシナリオについてだけ触れたい。
このシナリオはとても優れているのだ。
登場人物がそれぞれの背景と思惑を持って行動し、それが一つの運命に調和する。
なかなかここまでうまくまとめきれるものではない。
正直、脱帽する思いでプレイを進めた。

そして、更に驚いたことには、このゲームには並々ならぬ知識と教養がちりばめられていたのである。
登場人物がそれぞれ異なる背景を持っているために、それは必要だったのだろう。
私は時にそれを理解し喜びを覚え、時にそれを理解できず悔しく思った。
やや語句の力を借りすぎている臭みはあるものの、おそらくこのシナリオを書いた人は、相当の知識を備えた人間に違いあるまい。(もちろん構成力も素晴らしいが)
私は最上級の賛辞を贈りたい。

私はこのゲームをプレイしながら、いつものように色々と考えた。
「このゲーム素晴らしいよ。
 でも、言い訳出来ないエロゲーなんだよな。
 とは言ってもエロゲーじゃないと出来ないテーマだしなあ。
 いや、ひょっとしたらコンシューマーに落とせるかな?」

しかしながら、私がエンディングに辿り着いて得たものは、知識欲だったのだ。
それはとても強烈な。
もっとこのゲームの内容が理解できたらいいのに・・・。
私は西洋史の知識がまるでないことを悔しく思った。

もちろん、「知っているかいないか」などということは大した問題ではない。
知らないことは知ればいいのである。
しかし、知っていなければ考えられないこともある。
知識というものは考える基礎になるのだから。

私は思ったのだ。
もっと知識が欲しいと。
ゲームを楽しむために。


<補記>

このゲームには語彙集がついていますが、一通り終えるまで見ない方が良いような気がします。


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