『エリュシオン』というエロゲーをクリアした。 その時私が思ったのは、もっと知識が欲しい!ということだったのだ。 このゲームには素晴らしい点がいくつもあるが、ここではシナリオについてだけ触れたい。 このシナリオはとても優れているのだ。 登場人物がそれぞれの背景と思惑を持って行動し、それが一つの運命に調和する。 なかなかここまでうまくまとめきれるものではない。 正直、脱帽する思いでプレイを進めた。 そして、更に驚いたことには、このゲームには並々ならぬ知識と教養がちりばめられていたのである。 登場人物がそれぞれ異なる背景を持っているために、それは必要だったのだろう。 私は時にそれを理解し喜びを覚え、時にそれを理解できず悔しく思った。 やや語句の力を借りすぎている臭みはあるものの、おそらくこのシナリオを書いた人は、相当の知識を備えた人間に違いあるまい。(もちろん構成力も素晴らしいが) 私は最上級の賛辞を贈りたい。 私はこのゲームをプレイしながら、いつものように色々と考えた。 「このゲーム素晴らしいよ。 でも、言い訳出来ないエロゲーなんだよな。 とは言ってもエロゲーじゃないと出来ないテーマだしなあ。 いや、ひょっとしたらコンシューマーに落とせるかな?」 しかしながら、私がエンディングに辿り着いて得たものは、知識欲だったのだ。 それはとても強烈な。 もっとこのゲームの内容が理解できたらいいのに・・・。 私は西洋史の知識がまるでないことを悔しく思った。 もちろん、「知っているかいないか」などということは大した問題ではない。 知らないことは知ればいいのである。 しかし、知っていなければ考えられないこともある。 知識というものは考える基礎になるのだから。 私は思ったのだ。 もっと知識が欲しいと。 ゲームを楽しむために。 <補記> このゲームには語彙集がついていますが、一通り終えるまで見ない方が良いような気がします。 |