黄泉ヲ裂ク華、NS版_2

描かないこととの相性 2020_11_20



とりあえず表のエンディングまでは辿り着いた、『黄泉ヲ裂ク華』。
最後にまた10時間ぐらい稼ぎをやって、ようやくエンディング。
よく出来たDRPGは稼ぎが楽しいから全然苦にならない。
メチャメチャ満足した。
なんでもXBOX版のDLC相当まで入ってるそうで、まだまだ先は続くんだけど。

振り返ってみると、最初の入りが上手かった、と思ったんだ、それこそ最初は。
舞台設定が1970年代で、東京に異世界ダンジョンが突如現れて、自分はそこで働くサラリーマンっていう設定が面白かった。
キャラもまたイイんだ。
ダンジョンに閉じ込められて危機的状況であるにもかかわらず、やけに肝の据わった女社長とか、やけに余裕のある公社の管理官とかね。
序盤に乗り越えなきゃならない精神的な苦痛を苦痛だと感じさせない面白さがあった。

でも、よく考えてみると、実はそんなに描写があるわけじゃないんだ。
このゲームにいわゆる一枚絵はほんの数枚しかない。
味方もボスキャラも、基本的には雑魚敵と同じ姿絵一枚だけなの。
テキストも短いよ。
キャラを立てるための雑談は、矢沢永吉もどきの歌手についてだけじゃなかったかな。
余計なことはほとんど言わないの。
世界観を補完するための用語集はあるけど、別に読む必要はない。
私はほとんど読んでないよ。

それでもキャラや世界観が自分の中で精緻に描かれているような気がするんだ。
稼ぎを必要とするようなDRPGと描かないこととの相性が良いんだろうな、やっぱり。
想像する時間があるからね、たっぷりと。
しかもその世界は自分で構築したものなんだ。
そこが凄く大事なんだろう。
ゲームで大事なのは創り手が凄いと感じられることではなく、嘘でもいいから自分が凄いと感じられることだからね。
自分の感じている面白さの中に自分の寄与が大きければ大きいほど、面白い上に我々は誇らしい。
一見安っぽいDRPGをせっせとやってしまう魅力は、そこいら辺にあるんじゃないかな。

いったんこの魅力に取り憑かれてしまうと、なかなか止められない。
DLC分もやるよ、当然。
もっとも、敵がメチャクチャ強くて挫けそうだけど。
全滅するわけじゃないんだが、誰かがすぐ死ぬ。
クリティカルが出まくるんだよ。
そしたら、すぐにリセット。
キャンプに戻るのメンドイし、回復にお金も払いたくないの。
もう100回ぐらいリセットしてる。
おかげでお金も経験値も全然貯まらない。
最後までやるのは大変だ、こりゃ。


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