良いゲームには最後に余韻がある。 ストーリー上の感動もあれば、これでゲームが終わってしまうという寂しさもあるだろう。 しかし、『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』はちょっと違った。 素晴らしいゲームだな、と思いながらプレイしていたが、エンディングにあんまり余韻を感じなかったのだ。 それなりに寂しさもあるエンディングだったのに。 とすると、やっぱり原因はあれなのかな、と思う。 『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』は素晴らしいゲームだった。 主人公のゼルダ姫は基本、自分では戦わない。 魔物やアイテムをコピーして、代わりに攻撃してもらう。 これがタイトルに「知恵の借り物」と入っている所以でもある。 リンクが残した剣の力を使って、ある程度は自分で戦うこともできるけど。 それなりに斬新な印象はあった。 序盤、ちょっと眠かったけどね。 動きが遅いし、ナビ役のキャラがのんびりしていて、最初の数時間は眠くてしょうがなかった。 そのうち慣れて、普通に楽しめるようになったが。 何より素晴らしかったのは謎解きだ。 解法に縛りがない。 段差を登れれば何を使ってもいいし、衝撃を与えられれば爆弾でもモンスターでも何でもいい、というところが良かった。 自分で解いている気分にさせてくれるからね。 ちょっと詰まってから解けた時の喜びはひとしおだったな。 マップが埋まってくるにつれて、もうすぐ終わってしまう寂しさを感じていたものである。 しかし、ラスボス戦の後はそうでもなかった。 以下ちょいネタバレ。 最後はリンクも合流して一緒に戦うのだが、剣を返してしまうので、ゼルダ姫は直接戦えなくなる。 魔物を出しながら、基本は逃げるだけ。 敵の弱点をさらけ出すためのスイッチを攻撃するのがゼルダ姫の役割で、ラスボスにダメージを与えるのは主にリンクなのである。 難易度は低い。 回復アイテムなしでラスボスに挑んでしまったが、それでも初見クリアできるぐらいに簡単。 セーブできないラスボス戦は、時間がかかるだけで簡単にするのが今風ではある。 時間をかける以上、失敗させられないのが今どきのゲーム事情なのは分かっている。 でも、ちょっと負荷が足りなかったかな。 本来であれば寂しいはずのナビ役との別れも寂しくなかった。 セーブポイントを入れてでも、もっと難しくした方が良かったかも。 剣のレベルが低かったら戻れるようにするとか、ラスボス戦を分割するとか、救済措置を入れてでも。 もうちょっと苦労した方が、きっと最後の余韻は強くなっただろうね。 もっとも、そうするとクリアできない人が増えちゃうから、任天堂としては許されない判断なのかもしれないが。 |