『ラストウィンドウ 真夜中の約束』をやってて、キャラへの思い入れが深まっていることに気づくことがあった。 このゲームは過去の事件の真相を探るために、アパートの住人に聞き込みをする。 聞き込みは、結局悩み相談みたいな話になるんだな。 左画面に主人公が、右画面に相手が数枚程度のアニメーションパターンで表示されるだけなんだが、話聞いているとだんだん情にほだされるような感覚があった。 なんていうんでしょ? 友達の彼女に浮気相談されてるうちにその娘のこと好きになっちゃうみたいな。 そんな経験ありませんけど。 イイから押し倒しちゃえよ、と思いながら私はプレイしていた。 直前にたまたま同じ開発会社の『AGAIN FBI超心理捜査官』をやってたけど、アレなんかはまったくそういう感触はなかった。 たぶん、ディテールは見えない方が思い入れは持ちやすいんだろうな。 『AGAIN』が実写であることにはそれなりに意味はあるんだけど。 過去がプレイバックして被害者の顔や加害者の顔がバーンっと出てくるときに、実写じゃないと迫力が出ないから。 登場人物が多いこともあって、横向いて倒れている顔とか描き分けも難しいだろうし。 そういう意味では実写を使うのは正解だったと思う。 ただ、それ以外のところは非常に安っぽく感じる。 せっかく役者雇ってるのに、ほとんど演技している画はない。 再現シーン以外は立ち絵だけ。 なぜかやけに動きのパターンは少ない。 どうせならもう少し入れればいいのに、と思わないでもなかった。 『428』ぐらい本格的に撮影すればまた別なんだろうけど、実写でそれなりに見えるように作るって、結構ハードルが高いように感じた。 実写を使うことによってディテールが見えるって事は、プレイヤー側の寄与分を減らすことになるので、その分たくさん創り手側で背負わなければならなくなるってことだからな。 『ラストウィンドウ』の方は絵にそんなにお金かけているようには見えない。 でも、非常に効果的。 ジャンル的にあまりたくさんは売れないアドベンチャーゲームにはこっちの方が向いてそうだ、という感触は否めない。 実際ところ、外人の役者を雇ってロケするのと、10人分のアニメーションパターンを書くのとどっちがお金掛かるのか知らないけど。 |