任天堂の株価は新機種が発売される前に期待感から必ず上昇するんだそうである。 必ず上がるんなら私も買いたかった。 欧米での3DS販売が予想を下回っている上に円高差損にも苦しめられている今なら、逆にチャンスかもしれないじゃないか。 それだけ上昇余地が大きいってことだから。 しかし、今回ばっかりはどうか。 コンシューマーへの逆風が吹きすさぶ中、立ち位置のよくわからないWiiUに勝負をかける気にはならないな。 WiiUで任天堂が何をしたいのか、いまいちよくわからないんだ。 3DSと同じじゃないか、という気がして。 コントローラーが3DSの下側に相当して、テレビが上画面に相当する。 映像が綺麗になっただけで、果たして大きな訴求力を生むだろうか? みんなでプレイすると楽しいっていっても、コントローラーを人数分買うのは高くつくし、3DSを持ち寄ってプレイすれば同じことじゃないか、と私は思う。 それにも増して、Wiiの扱いはどうなるのか。 WiiUを買ってくれる人は当然Wiiも所有していると考えて、体感ゲーム路線を継続していくのかね。 私はそっちの方が勝算ありそうな気がしているんだけど。 単なる互換ではなくて、一枚のディスクでWiiとWiiUの両対応って手もあるんじゃないか。 体感路線はもう賞味期限が切れいている、という判断もあるいはあるのかな。 などと任天堂の株価に思いを巡らせていたある日、アマゾンのランキングに初めて見るタイトルを見つけた。 『タッチ! ダブルペンスポーツ』。 3DSにこんなゲームがあることを私はまったく知らなかった。 発売されたのは2011年6月だそうである。 バーゲンセールのせいで一時的にランキングが上昇しただけのようだ。 980円で売ってるぐらいだから、思ったほどには売れなかったんだろう。 一見して『Wiiスポーツ』に似ていて売れそうに見えるから、たくさん仕入れちゃったのかな。 やはり体感ゲーム路線は賞味期限切れなのだろうか。 一応確認のためにプレイしてみることにした。 このゲームはタイトルが『タッチ! ダブルペンスポーツ』だけあって、ペンを2本使ってプレイする。 マルチタッチに対応していないから、同時に2点をタッチすることはないんだけど、そこは両手を使いましょう、ということである。 ゲーム進行も『Wiiスポーツ』に酷似しており、任天堂の後追いで上手くWiiに対応してきたバンダイナムコらしい作品だ。 決して悪くはない。 しかし、両手でペンを持つということと、体を動かすことはやはり全然違うな。 ゼロではないけど、同一性はあまり感じられないよ。 Wiiのコンセプトを3DSに持ち込むことは、ちょっと無理があったとみえる。 このゲームが売れなかったからといって、それが即座に体感路線の終焉とは言えないだろう。 だからといって、WiiUに入れ込めるわけではないが。 ちなみに任天堂の株価はすでに上昇しており、今から買うのは尚更勇気がいる。 円安による株価上昇とかはあるかもしれないが、ちょっと自信がないねえ。 |