FF13が終わった。 日本で200万本売るつもりで創られたゲームとしては、非常に良くできていたんじゃないか。 その印象は最後まで変わらなかった。 なんだかんだ言って、実際みんなやってるわけだからな、FF13を。 中古でぐんぐん回転するから、売り上げは伸びないだろうけど。 たくさんのプレイヤーに対応する平均点的なゲームだと考えれば、別段悪いとは思えない。 果たしてこのゲームを悪いと断じきるロジックを組み立てることが出来るだろうか?とエンディングロールを眺めながら考えていた。 ちょっとした思考ゲームをやっていたのである。 そしたら意外にも簡単に思いついてしまった。 思いついてしまった以上、書かないわけにはいかない。 いつの頃からか、ゲームの世界観を頭の中に入れることが億劫になっている自分を私は感じている。 もちろん歳のせいではある。 頭が固くなっているし、非現実的な話は受け入れがたい。 受け入れることが困難であるならば、それは負荷であるとも言える。 それはつまり、物語を理解すること自身がゲームであるということだ。 とすれば、やはり理解度が上がらないと物語も面白く感じられないということになるのではないか。 アクションゲームなんぞをやっていて、理解度が上がってこないと面白く感じられないのと同じ事である。 ところで、FF13はいきなり物語の途中から始まる。 小説なんかでは良くある手法だ。 なんと呼ばれる手法なのか知らないけど。 わざと分かりにくいところからスタートして、回想を挟みつつ、極めてゆっくり物語を見せていく。 プレイヤーは置いてかれてるように感じるが、まあ、それが狙いならそれも良かろう。 その一方で、システムの説明もするわけだが、これまたゆっくりと説明していく。 ムービーとムービーの間に一つしか説明しちゃ駄目!みたいな縛りがあるのかもしれない。 プレイヤーはシステムを一部分しか理解しないままゲームを進めて行かなければならないのだ。 私の印象では、物語の理解度とシステムの理解度が平行してゆっくり高まっていって、全体の半分以上過ぎたあたりでようやく「分かったな」という気分になる。 で、分かった気になった頃にはもうエンディングが近づいているという。 ここに少し問題がある。 物語が分かりにくく、システムが複雑であるならば、それは負荷が大きいことを意味している。 だから、物語とゲームシステム、両方とも大きな負荷を乗り越えさせないようにこのゲームは創られていた。 それは単位時間あたりにかける負荷の量を調節する、という意味では間違っていないだろう。 だが、同時にそれは理解が深まっていないことも意味していた。 ゲームは提示されているけど、それを乗り越えなくても先に進めるように創ってあるわけだから。 物語の理解もシステムの理解も深まっていないまま、ただ時間が過ぎていく結果となった。 つまり両方面白くないと感じている時間が長くなっているということだ。 やっぱりこれはまずいんだろう。 どうしても物語を分かりにくいところから始めたいなら、せめてシステムだけでも早めに説明しておいた方が良かったのではないか。 このシステム、大したことやってないのに一見分かりにくいので(だから喜びが増幅されるわけだが)、シナリオの中でブレイク(ボーナスタイムが発生)することに意味づけをしたり、オプティマ(フォーメーションみたいなの)を切り替えることに理由付けをしてやって、こうやると良いんですよ、ということを早く伝えた方がよかったんじゃないか。 オプティマはともかくブレイクに理屈をつけることは難しいかもしれないが。(いますぐには思いつかない) その上でプレイヤーがちゃんと理解しているかを試す意味を持つ壁(要するにオプティマを変更しないと勝てないイベントボス)を早い段階で持って来ていれば、もうちょっと違った印象になったかもしれない。 いや、私はそんなに悪いとは思っていないのだが。 確かに悪い話しか書けないゲームではある。 自分の寄与分が小さいから。 こう微にいり細にいり描かれては、私の取り分が全くない。 せめて「自分で見つけました」という体裁が整っていないと受け入れられないだろ、普通。 悪いところばっかり書きたくなるのも仕方ないかと思わなくもない。 そういう意味では、ネット上で目に見えているほどには悪いと思われていないのかもしれないな。 <余談 2010_02_16> FF13に出てくるファルシを天使と捉えれば、割と欧米の人には理解しやすいかもしれない。 神様自身はまったく姿を現さず、天使が独断で悪さしている、という建前なら受け入れやすかろう。 欧米向けに考えたシナリオなのかもしれんな。 実際、海外で売れないとペイしないだろうし。 |