Dokuro

まだ感動できる 2012_08_04

 

最近、ゲームで感動していない。
自分でも薄々は気づいていた。
昔はゲームクリアしてよく泣いてたもんだけどな。
よく考えたらくだらないストーリーであっても、なんか感動してたんだ。
歳取っちゃうともう無理なのか、とも思ってたんだけど、まだいけるな。
感動できなかったのは、ちゃんとゲームしてなかったからだ。
ちゃんとゲームすれば感動できる。
現に出来た。


今は遊びたいゲームがいっぱいあるんだけど、一ヶ月ぐらい前は見当たらなくて困っていた。
特にPSVで何かないかと探して見つけたのが『Dokuro』。
ロープライスの作品だし、特に期待していたわけじゃなかった。
ゲームアーツのロゴが出てきて驚いたぐらいである。
しかし、予想に反して素晴らしい作品だった。

ぱっと見の印象では、2Dで『ICO』をやってるようなアクションパズルゲーム。
段差を乗り越えられず、敵に無抵抗なお姫様をゴールまで連れて行く。
主人公が下級の魔物、お姫様に触れられないドクロで、一定時間だけイケメンヒーローに変身できるところに特徴がある。

なかなかよく出来たゲームだと私は思った。
見た目は地味だけど、よくまとまっている。
言葉を全く使わないゲーム説明は任天堂的な印象すら受けた。
小さなゲームが評価された時代だったら、もっと話題になっていたんじゃないか。
ほどほどに難しく、タッチパネルも含めて多くのギミックで目先を変えて、難易度の上昇を防ぎつつボリュームを出している。
ステージ5あたりでこの難易度だと、最後の方はどれほど難しいんだろうと心配したけど、新しいギミックが登場するたびに練習目的のステージが入ってくるから、実際は心配するほどでもなかった。
ホントに難しいのは、最後の方の数ステージだけ。
ステージをスキップできるのは10回まで、というのもなかなか優れたバランス感覚なんじゃないか。

私は少しずつプレイを進めてきて、ようやく今日ラスボスまで到達した。
しかし、最後はさすがにちょっと手こずったな。
分かってしまえば簡単なのだが、コリジョンを掴むのに苦労して、何十回もやり直すことになったのである。
でも、これはクリアできる、という感触はあったから頑張れた。
1時間ぐらいやってようやくクリアして、エンディング見てたら久々に感動できたよ。
倒れ込んだドクロの笑顔が理解できるんだ。
ドットで描かれた小さなドクロの笑顔がね。
ちゃんとプレイしたからシンクロできるんだよ、きっと。
お話がよく出来ていたからでもあるんだけど。

ゲームってちゃんとやれば、ちゃんと喜びを返してくれるもんだってことを、このゲームは久々に感じさせてくれた。
まさか、こんなロープライスのゲームでこの感覚を得られるとはね。
どこにどんなゲームが転がっているか、分からないもんだよ。


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