最近、ゲームで感動していない。 自分でも薄々は気づいていた。 昔はゲームクリアしてよく泣いてたもんだけどな。 よく考えたらくだらないストーリーであっても、なんか感動してたんだ。 歳取っちゃうともう無理なのか、とも思ってたんだけど、まだいけるな。 感動できなかったのは、ちゃんとゲームしてなかったからだ。 ちゃんとゲームすれば感動できる。 現に出来た。 今は遊びたいゲームがいっぱいあるんだけど、一ヶ月ぐらい前は見当たらなくて困っていた。 特にPSVで何かないかと探して見つけたのが『Dokuro』。 ロープライスの作品だし、特に期待していたわけじゃなかった。 ゲームアーツのロゴが出てきて驚いたぐらいである。 しかし、予想に反して素晴らしい作品だった。 ぱっと見の印象では、2Dで『ICO』をやってるようなアクションパズルゲーム。 段差を乗り越えられず、敵に無抵抗なお姫様をゴールまで連れて行く。 主人公が下級の魔物、お姫様に触れられないドクロで、一定時間だけイケメンヒーローに変身できるところに特徴がある。 なかなかよく出来たゲームだと私は思った。 見た目は地味だけど、よくまとまっている。 言葉を全く使わないゲーム説明は任天堂的な印象すら受けた。 小さなゲームが評価された時代だったら、もっと話題になっていたんじゃないか。 ほどほどに難しく、タッチパネルも含めて多くのギミックで目先を変えて、難易度の上昇を防ぎつつボリュームを出している。 ステージ5あたりでこの難易度だと、最後の方はどれほど難しいんだろうと心配したけど、新しいギミックが登場するたびに練習目的のステージが入ってくるから、実際は心配するほどでもなかった。 ホントに難しいのは、最後の方の数ステージだけ。 ステージをスキップできるのは10回まで、というのもなかなか優れたバランス感覚なんじゃないか。 私は少しずつプレイを進めてきて、ようやく今日ラスボスまで到達した。 しかし、最後はさすがにちょっと手こずったな。 分かってしまえば簡単なのだが、コリジョンを掴むのに苦労して、何十回もやり直すことになったのである。 でも、これはクリアできる、という感触はあったから頑張れた。 1時間ぐらいやってようやくクリアして、エンディング見てたら久々に感動できたよ。 倒れ込んだドクロの笑顔が理解できるんだ。 ドットで描かれた小さなドクロの笑顔がね。 ちゃんとプレイしたからシンクロできるんだよ、きっと。 お話がよく出来ていたからでもあるんだけど。 ゲームってちゃんとやれば、ちゃんと喜びを返してくれるもんだってことを、このゲームは久々に感じさせてくれた。 まさか、こんなロープライスのゲームでこの感覚を得られるとはね。 どこにどんなゲームが転がっているか、分からないもんだよ。 |