とにかく一回目のプレイで全力を尽くすべきだ。 それはプレイし始めて、すぐに分かった。 この『HEAVEY RAIN -心が軋むとき-』では自由にセーブすることが出来ない。 しかもこまめにオートセーブするから、ちょっとした間違いも取り返しがつかないのだ。 とりあえず一周プレイすると、チャプターごとにプレイできるようになるのだが、やはり一回目のプレイで全力を尽くすべきだという印象は変わることがなかった。 というよりは、むしろより強固になった。 このことについて、少し書きたい。 このゲームでは、3D空間でキャラクターを操って捜査を進めて行く。 とはいっても、実際には選択肢型のアドベンチャーゲームとそんなに違うわけではない。 要するにフラグ立てが面倒になっているだけだとも言えるのだ。 普通のアドベンチャーゲームが、調べる→窓、といった具合に選択肢で済ませていたことを、キャラクターを窓まで動かして調べているだけのことである。 しかし、自分でやっている感があるので、一回目はすごく楽しい。 最初のうちはやっぱり、うぉっ!?って思うもん。 右アナログスティックを自キャラの操作系に組み入れたせいで、視点を回すことが出来ないこともあって、キャラクタを動かすことに強いストレスを感じるんだけど、そのデメリットより同一性を高めたメリットの方が大きいと私は感じていた。 ところが、2回目になると話がまるで違う。 テキスト早送りで済ますというわけにはいかないから、2回目であってもあんまり時短出来ないのだ。 動作を早送りするわけにもいかないからな。 2回目にはわくわく感もなんにも無いから、とにかくメンド臭い。 何とか省略できんかなーと思って、一部のチャプターだけやり直してみたが、どうもうまくいかず、メンドくせーなーと思いながら結局2回目をやる羽目になった。 一回目で全力を尽くした割には一回目のエンディングは登場人物がみんな死んじゃったのである、実のところ。 さすがに2回目はほぼ満足行く結果になったけど。 こういうゲームはおそらく「かまいたちの夜」シリーズみたいに、フローチャートを公開して全シーン体験して貰うような作りには向かないだろうな。 とにかく一回目のプレーに全てをかけてもらって、プレイヤーにはその結果を受け入れて貰うより他にない。 このゲームのコンセプトはおそらく、取り返しのつかない選択をプレイヤーに強いることなんだから。 とはいっても、良い結果が得られないと2回目のプレイをしてしまって、いま私が書いているように愚痴ることになる。 まあ、なんというか、一種のペナルティなんでしょうな、2回目のプレイは。 私としてはどんどんやってみたいよ、こういうの。 映像的に慣れてきちゃうと、2回目のプレイに耐えられなくなるかもしれないが。 |