初音ミクをはじめとするボーカロイド人気が私はよく分からない。 曲を創る人が重宝するのは理解できる。 自分の創った曲を聴いてもらうから、他の人の曲も聴こうって気持ちになることもあるだろう。 しかし、聴くだけの連中は何が面白いのか? ゲームの売れ行きなんかを見ると、十万のオーダーでファンがいそうなのだが、そんなにクリエイティブな人間がたくさんいるはずはないから、聴くだけの連中も相当いるはず。 今どき音楽の世界にプロもアマもないし、メジャーレーベルの方がレベルが高いってこともないだろうけど、それにしたってあんなけったいな合成音声を好んで聴かなくてもいいのに、と私は思う。 正規の手段を用いても音楽って安く手に入るじゃん、今は。 仮にだよ、初音ミク用に作曲された曲が凄く好きだとしよう。 それを初音ミクが歌うより、初音ミクのベースデータになっている声優さんに歌って貰った方がいいんじゃないか、と思うのだがどうだろう。 そういうことが実際に行われているのかどうか知らないけど。 まあ、ファンの気持ちはファンにしか分からないんだろうね。 分からない話には首を突っ込まない方がいい。 私は初音ミク文化には一切興味を示すことなく先日まで過ごしてきた。 しかし、である。 毎度のことになりつつあるが、やりたいゲームが見当たらない。 発売されるゲーム減ってるんじゃないかな、最近。 事ここに至ってはもう『初音ミク -Project DIVA- f』でもやるより他になくなってしまったのである。 まあ、リズムゲームならそこそこは面白いだろうと思った。 実際、やってみたら結構面白かった。 正味のプレイタイムで30時間ぐらいはやったからね。 面白くなければ、そんなにはプレイしない。 声は正直よく聞き取れないけど、初音ミクを初音ミクという楽器だと思えば、そう気にはならなかったな。 ただ、やっぱりよく分からないところはあった。 いったいどこに喜びを増幅する仕組みがビルトインされているのか? たとえば「応援団」だったら、入力を応援に置き換えることによって、ストーリー上の成功を自分のことのように感じさせて喜びを増幅させる。 しかし、この『f』は入力を何かに置き換えているわけではない。 そもそも背景のムービーは必ずしも明確なストーリーを描いているわけではなく、ボーカロイドのプロモーションムービーみたいな構成になっている。 スクラッチの部分はあまりマーカーを見なくてもいいから、その辺で集中的に物語を展開するとかっていうなら、話はまだ分かるのだが・・・。 どうも、アプローチとしては「応援団」なんかとは全然違うようである。 また例えば『シアトリズム ファイナルファンタジー』だったら、入力を戦闘と同期させてリズムゲームとしての面白さを越えた部分を狙っていた。 しかし、この『f』は別に入力とムービーの間に特段の関連性はなさそうである。 そもそも見ている暇がないしね。 辛うじてスクラッチの部分は弦を弾いているような感覚がないでもないが、必ずしもそれを意識しているわけではなさそうだ。 結局、どうやって喜びを増幅させようとしているのか、よく分からなかった。 得はしてない気がする。 ムービーに一番お金が掛かってそうなんだが、あれは初音ミクをプロモートしているだけじゃないかって気がするんだよな。 ゲームが得をするんじゃなくて、初音ミクが得をするってことなのか。 確かに初音ミクアレルギーはなくなった。 もしかすると、「Project DIVA」ってのはゲームを通じて初音ミクをバーチャルアイドルにしよう、みたいな構想なのかもしれん。 調べれば分かるんだろうけど、敢えて調べないことにする。 |