マリオ&ルイージRPG2_3

2画面と50:50 2006_02_20

 

NDSのゲームについて「2画面を活かした」とか書いてあると、私なんかはカチンと来る。
2画面ってホントに意味があるのか?
だって、解像度が2倍の液晶一個を分割して表示すれば同じ事じゃん。
なに抜かしとんねん、と言いたくなるのである。

ところが、『マリオ&ルイージRPG2』の中でなかなか上手いな、と思う2画面の使い方はあったのである。
上画面でのベビーのアクションを下画面でマリオ&ルイージに絡める使い方はなかなか素晴らしいじゃないか。
あれはNDSならではのギミックだったな。

すると、冒頭で私が書いたことは間違っているのか?
いやいや、まてまて。
私はそれに対する答えも用意しているのである。

まずNDSの場合、2画面を50:50で使ってようやく解像度が2倍の1画面と互角になるということを考える必要がある。
例えば、マップを表示することの重要性がゲーム全体の中で低い場合、表示するにしても、通常画面の一部分にマップ表示領域を設けたり、半透明で重ねたりすることで対応する。
これはその重要度によって、表示領域を創り手が自由に設定するわけだ。
ところが、NDSでマップを常時表示すると決めると、表示領域の半分を割り当てることになってしまう。
2画面が物理的に分離しているので、表示すると決めた途端にこれは決まってしまうのだ。
つまり解像度2倍の一画面よりも不利になるのだ。
そうすると、2画面を上手く使うには、両画面の重要度をイーブンにするようなゲームデザインを考える必要があることになる。

NDSの場合、フルパワーを使えるのは1画面だけなので、根本的な部分でこれに見合う設計をする必要があるんじゃないか。
50:50を実現するための方策としては、『ソニックラッシュ』のようにメイン画面を切り替えて表示する方法と『マリオ&ルイージRPG2』みたいに能力の低い方にあわせて表示する方法とが既に示されている。
『マリオ&ルイージRPG2』の上手いところは、敢えてフルパワー使わないで、2画面を50:50で使って見せたところだと思うな。

しかし、これは2画面を50:50で使ってようやく解像度2倍の1画面と互角になる、という話である。
「2画面を活かした」とか言うからおかしな話になるのだ。
演出方向が縦に伸びた、とか、縦横比が3:4のままで2画面が使える、と言えば、それはメリットになると思うが。

今のところ、画面が物理的に分かれている事のメリットを見つけることが出来ない、私は。
今までプレイした中にも、そのことへの示唆はなかった。
2画面というのは、おそらく経済性から導き出されたものであって、ゲームから導き出されたものではないんじゃないか。

強いて言えば、絵の間違い探しぐらいは多少意味があるかもしれないが。
物理的に離れている方が、難易度は上がるよね。
絵が離れていればいるほど、見比べにくくなるから。
それがメリットと呼べるのかどうかは著しく疑問に思うけど。



<語注>
50:50は「フィフティフィフティ」と読んでね。



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