ああ、苦しそうだなあ、と思った。 『スペースチャンネル5パート2』をプレイして。 もちろん苦しいのは私の方ではなくて、『スペースチャンネル5パート2』を創った人達の方である。 これから書くことのために少しだけ説明しておく。 『スペースチャンネル5part2』では、ダンスを方向キーとA・Bボタンで表現することになる。(違うような気もするけど、説明上そういうことにしておく) もうちょっというと、敵がやったダンスをタイミングまでマネて入力すればOK!ということになるだろうか。 ただし、入力は暗記しなければならない、というところが他のゲームとはちょっと違う。 問題なのは、これが凄く簡単なことである。 入力タイミングがBGMに同期していると、多少複雑な入力でもなんとなく出来てしまう。 リズムというものの、なんと不思議なことか。 例えば、上右左下上右左下上右左下AAAという連続入力が、なんの躊躇もなく成功してしまうのだ。 だから、難しくしなければならない。 『スペースチャンネル5パート2』は続編だけに尚更だった。 ところが普通にやると難しくしようがないのだ。 これは大変困ったことである。 で、このゲームの中では、意図的にBGMとタイミングをはずしにかかったり、プレイヤー入力ターンに切り替わるまでに間奏を入れて入力を忘れさせようとしている。 それもまた仕方のないことだと思う。 だけど、面白くはない。 入力が気持ち良くないのだ。(特に中盤) ホントを言えば、リズムに乗ってどんどん入力していきたい。 単純に入力の気持ち良さで言えば、私の知る限りでは『サンバ DE アミーゴ』あたりの方が良いんじゃないか。(『パラッパー』はやったことがないので、よくわからない) これはきっとジレンマがあっただろうな、と私は思うのである。 小細工を入れると面白くないし、簡単すぎてはあっという間に終わってしまう。 曲がりなりにもゲームなんだから、ある程度クリアした満足感を与えなければならないだろう、という思惑もあったに違いない。 私はこのゲームをプレイしていて、自分がウララを演じているんだな、という感覚を持った。 ミュージカルロールプレイングゲームとでも呼んだらいいのだろうか。 要するにこのゲームにおける入力というのは、プレイヤーがウララと一体感を持つための負荷である。それ自体が面白くなくてもやむを得ない・・・、という選択によってギリギリのバランスを取った、という印象だった。 一方、ラスト2面は小細工を捨てて真っ向勝負に出ているな、とも感じた。 それはその裏返しなんじゃないだろうか。 中盤が気持ちよくないから、最後はどうしても気持ちよくしたかったのだと思う。 「バンド対決」以降の気持ち良さは、なかなか味わえないよ。 ゲームを創るって、ホントに大変だなあ、としみじみ思う。 こうやって私達が遊んでいる裏には、ゲームがどうあるべきかに頭を悩ませているクリエイター達がいるのだ。 「本当にご苦労様」と、ねぎらいの言葉の一つもかけずにはいられない。 |