ギャルゲーってのは元来、プレイヤーに手間をかけさせるように作られるモノであった。 その方がキャラへの思いが深まる。 しかし、ゲームの構成が分かってしまうと、それは単なるパラメーターいじりやフラグ立てに過ぎないじゃないか、ということになって、メンド臭いから止めようぜ、という流れになった。 ほとんどただ読んでいるだけのような作品が多くなってしまったわけである。 その結果、あんまり売れなくなってきたんだな、ギャルゲーって。 そっちの属性があって、わかっている人だけの物になってしまったから。 でも、やはり手間をかけさせた方がイイのは間違いないと、改めて私は感じていた。 『ルーンファクトリー3』は本来そういうつもりではないのかもしれないが、なかなかギャルゲーとしても楽しい作品である。 『ルーンファクトリー3』の中で最大のイベントといえばやはり結婚。 昔の「牧場物語」は「誰と家庭を築くか(子供を作るか)」という視点だったような気がするが、この辺まで来ると「どのキャラクターが好きか」という話のような気がするな。 方向的にはギャルゲーにシフトしてきているようである。 やってて別に違和感はない。 この『3』では明らかにシア(メインヒロイン)とエンディングを迎えることを前提とした作りになっている。 誰にプロポーズしてもムービーはシアが花嫁なのだ。 最初私もシアにプロポーズしたんだけど、やっぱり違うなと思った。 私はカリンが好き。 セーブポイントが2個あるから、プロポーズする前に戻ってカリンにプロポーズし直した。 カリンは怠け者だからお嫁さんには向かない感じはするのだが。 こんな経験は久しぶりだな。 DQ5以来だ。 あの時は、フローラを選んでからリセットしてビアンカに変更したな。 幼なじみを裏切るのは申し訳ない気がして。 こういう感覚ってのはやっぱり感情移入している証拠だろう。 とすれば、どうして感情移入出来るのかを考える必要がある。 たぶんギャルゲーからスタートしてないからじゃないか。 農作業するのも、冒険するのも、アイテム作るのも別にキャラを攻略するためにやり始めたんじゃない。 結果としてそうなったとしても。 もともとそれ自身が目的だから、メンド臭いから止めようぜって話にはならないでしょ。 毎日挨拶したり、会話したり、イベントこなしたりしているうちに、ごく自然と思い入れが出来てくるんだ。 手間をかけ時間をかけていくと、どうしてもそうなるんだよ。 ギャルゲーからスタートしてたら、そういうワケにはいかない。 攻略に至るまでの労力は少ない方がイイ、という判断が出てくる。 結果としてはギャルゲーになってきてるんだけど、あくまで牧場物語ベースで進化してきたら上手くいってるんだろうな、おそらく。 あんまり露骨にならないように創り手の方でも頑張ってるんだと思う。 私は大好きだな、このゲーム。 ギャルゲーってこんなもんでイイんだよ。 サービスショットとかなくても大丈夫。 |