ワールド・デストラクション

世界は撲滅されない 2008_10_09

 

私はこの世界がいずれ崩壊するだろうと思っている。
ただし、それがいつになるのかは分からない。
10年後か、30年後か、100年後なのか。

今すぐ崩壊して、北斗の拳みたいな世界になるならそれもイイ。
今なら腕力には自信があるのだ。
そこいら辺にいる奴らには負けないだろう。

しかし、50年後とかになったらイヤだな。
ヨボヨボになった頃に崩壊されたら、それこそ手も足も出ない。
足腰も立たない。
そんなのはイヤだ。
せめて私が生きている間ぐらいは、この秩序立った世界が存続して欲しいと私は願っている。

このところお金のことばかり考えていたのだが、いま現実世界はとんでもないことになっている。
信用不安からお金が回らなくなって、どんどん景気が悪くなっているのである。
ロイターとか日経の記事を読んでいたら、10/07〜08あたりは世界が終わってしまうのではないか、というぐらいの感じであった。
最終的には革命でも起こって、一回リセットしないとどうにもならないのではないか、と正直思ったな。
世界中の人が私と同じことを思ったに違いない。
現実の企業価値とは関係なく株は売られていき、金利差に関係なく円が買われていった。
いわば世界中がパニックに陥っていたのである。(資産をもっている人達だけだけど)

しかし、実際には世界がどうこうなるわけじゃない。
銀行が潰れそうになれば公的資金を入れるし、金回りが悪くなれば国際協調利下げが行われる。
どういうわけか必ず安定する方向に力が働くのである。
これはなぜかというと、実のところ、今の世界はそんなに悪くないからなんだろう。
現状維持を望んでいる人が多い。

例えばの話。
ホリエモンみたいに何十億も持ってる成金に対しては、あんなお金取り上げてしまえ!と我々は思う。
一方で一般庶民と言われる人達だって実は幾らか資産を持っていて、自分が持っているわずかなお金、例えば100万円は失いたくないのである。
あくまでも例えだけど、100万円のうち5万円を差し出してホリエモンを救済しないと残りの95万円も無くなってしまう!ということになれば、大抵の人は5万円出すんだな。
95万まで失いたくない。

革命が起きるのは、ホントに切羽詰まって大半の人が失うものなど何もない、というぐらいになったときである。
今我々が困った困ったなんて言っているのは、実は全然大したことないのである。
人間はあまりにも強欲だ。
それ故にまたこの世界はなかなか崩壊しないんじゃないか。
この世界が続いていく前提で、これからも我々は生きていかなければならないのである。

なんてことを考えているときに、たまたま変なゲームにぶつかってしまった。
『ワールド・デストラクション』。
これは困ったゲームだな。
いきなり「撲滅委員会」なんていかにも深夜アニメか同人漫画かというネーミングのテロ組織が出てきて、凄くかるーく撲滅撲滅と喚くのである。
ヒロイン役?の声優さんもわざとチャライ感じを演出しているみたいだな。
別に撲滅する必要もなさそうな平和な世界なのに。

例えば、『テイルズ オブ シンフォニア』なんかだと、主人公達は正しい使い方の確信犯的テロリストなんだけど、こっちはもっと開き直って自らテロリストだと名乗ってしまう。
間違ってる方の確信犯だ。
どっちがマシかと言えば、そりゃ『ワールド・デストラクション』の方がマシでしょ、いたずらに正義を振りかざさないだけ。
もっとも、それはあくまでマシだというだけであって、納得はしてない。
酷いストーリーだな、と思いながら、今どきあり得ないほどの頻繁なエンカウントに耐えている。
耐えることもゲームだからな。