Wii/DS世代には私も、「知育ゲー」とか「非ゲーム」と呼ばれるものをプレイした。 「脳トレ」とかああいうやつ。 私の定義だと、あれらはど真ん中のゲームなので、ほかのゲームと区別すること自体がおかしいという立場であった、私は。 しかし、NSになってから、とんとやる気になれなかったな。 目新しさがなかったのもあるし、NSを純粋な据え置きと解釈していたからかもしれない。 今になって、『やわらかあたま塾 いっしょにあたまのストレッチ』をやり始めたのは、いよいよほかにやるゲームが見当たらなかったからである。 買う前は、「脳トレ」の系譜に連なるゲームであろう、と勝手に思っていた。 しかしながら、やってみたら全然違うゲームだった。 これは人の能力を測るゲームだな。 空間把握能力や記憶力、判断力などを測るゲームなのである。 「脳トレ」とは全然違う。 脳トレに出てくる脳年齢って、あれは全然意味のない数字だからね。 川島教授は単純計算を限界までやらせた方が、難しいことを考えるより脳が活性化する、と主張しているだけ。 だから、数字がどうであれ、プレイヤーが脳を限界まで使えばいいのである。 数字がよかろうが悪かろうが、やれば脳は活性化すると主張しているわけだから。 でも、『やわらかあたま塾 いっしょにあたまのストレッチ』は「ストレッチ」と言っているだけで、脳が活性化するなんて言ってない。 ホントに能力が結果になって表れるだけなの。 このゲームは危険だよ。 やり始めてすぐに気づいた。 最初の問題をクリアして、金星2だったときはまあまあ嬉しかった。 が、次の問題をクリアして銀星2だったときはちょっと恥ずかしかったな。 おそらく判定は甘めだろうから、銀星2は平均かそれ以下だろう。 とっさに、この結果を知られたくないと思った。 わざわざ自分が人より劣っていることを知られたくないだろ、普通は。 このゲームは人に劣等感を覚えさせる恐れがある危険なゲームなのである。 もっとも、ゲームはむしろ面白いよ、「脳トレ」なんかより。 ゲームって自分の能力を駆使してクリアした時の方が喜びは大きくなるからね。 ただし、できる人は、ね。 出来る人は面白いけど、できない人は面白くない、そんな当たり前のことを任天堂が露骨にやるとは思わなかった。 オブラートに包んだ表現とはいえね。 対戦形式で順位までつけちゃうとは、プレイする前には全く予想できなかった。 売れ行きはかなりいいようだけど、きっと「脳トレ」みたいなブームにはならないんじゃないかな。 やっぱり結果を人に言いたくないゲームはブームにならないよ。 |