『カルチョビット』は非常に簡略化されたサッカーシミュレーションゲームでありながら奥が深い。 果たしてそう書いていいだろうか? 奥が深いな、と呟いてはみたものの、私は今ひとつ確信が持てないでいる。 このところ、ずっと『カルチョビット』にかかり切り。 さすがにやり過ぎだと自分でも思っていたのだが、止められない止まらない、かっぱえびせん状態であった。 このゲーム、ディビジョン1に上がるまでは順調にいくように出来ていて、大抵誰でも充実感を味わうことが出来るだろう。 選手が勝手に成長していくのに加えて、昇格すると予算が増えるので、年々優秀な選手を獲得できるようになっていく。 この段階では、私は奥深いゲームだとは感じていなかった。 問題はディビジョン1に上がってからである。 予算が増えるといっても、一流選手は3〜4人程度しか雇えないので、一流選手や助っ人外国人で固められたトップクラブとはまず戦えない。 さて、どうするか?という話になる。 結論から書くと、やはり戦術面を考えていくしかない。 私はこの時点になってようやく選手タイプの重要性に気づいた。 このゲームには戦術を指定する機能はないので、選手のタイプを変化させることで戦術を決めるらしい。 例えば、サイドバックに攻め上がらせたければ、タイプがリベロになるように特訓しておく。(普通リベロってセンターバックだけど、サイドバックでもリベロなんだろうか?) 特訓はついつい弱点の克服に使いがちだけど、ホントは選手タイプをいじるのに使うモノだったのだ。 それを知ったとき、このゲームは奥が深いな、と私は思ったのである。 しかし。 このゲームはサッカークラブ運営シミュレーションではなく、サッカーシミュレーションである。 ディフェンスラインをちょっといじったり、選手を入れ替えてやると結果が変わるのだ。 微妙な状態の変化が大きく結果に影響する。 つまり、よくわからないのである、原因と結果の関係が。 相手のリベロが攻め上がるのを予想して、対面(トイメン)にチャンスメーカーを入れておく、とか考えるんだけど、上手く行っているのかどうかがわからない。 そこが読み取れないゲームを奥深いと言って良いものかどうか? それが私の疑問であった。 その問いかけへの答えは、おそらく深いと感じられる人には深いし、そうでない人には深くない、ということだろうと考えている。 実際のサッカーでも、原因と結果の関係なんかわからないからね。 例えばサントスをオフェンシブハーフからサイドバックへ回すとする。 試合に勝ったら、監督の思惑が当たった、と言われるかもしれない。 でも、ホントにそうかどうかなんてわかるはずもないだろう。 たまたまかもしれないのだ。 しかし、サントスはサイドバックに回した方が活きる、と判断して試合に勝てば、自分の理論は正しかったと満足できるんじゃないか。 つまり、正しいかどうかなんてのはあまり重要じゃないのだ。 要するに、原因と結果に対して、自分なりの論理付けが出来るかどうかの問題なのである。 それが出来れば、このゲームは酷く奥深いと言えるんじゃないか。 ただ、そういう遊び方は「ちょびっと」のコンセプトからは外れてしまうかもしれない。 だから、そのへんはプレイヤーの好み次第ということなんだろう。 告白してしまうと、私も明確な意図を持たないで、適当に選手を入れ替えてやり直したことが何回もあった。 明確な意図を持って作戦を練るのは良いんだけど、ずっと試合を観てるのイヤだから。 そういうプレイも許されるんでしょ、きっと。 |