いきなりなのだが、かつて私はエロゲーをエロゲーと認められない連中が大嫌いであった。 十数年前まではエロゲーという称呼はいやだ、美少女ゲームと呼びたい、あるいは個別のタイトルについて内容がすばらしいからエロゲーではない、とか主張する連中が結構いたのである。 美しさの観点からはこれを認めること能わず。 エロを売り物にするからには創り手がごまかすことは許されないし、そしてそれを知りつつ買うプレイヤーは、エロを求める自分から逃げてはならない。 素晴らしいエロゲーがあったって別にいいじゃないか。 頭に来るから、昔はわざとエロゲーという言葉を多用して記事を書いてやったものである。 もっとも、私の活動も多少効果があったのか、今ではエロゲー、あるいはエロゲという表現は定着したようだ。 ところが今時は、エロゲーだけど抜きゲーじゃない、とか言い出す連中もいるようである。 10時間あえぎ続けているようなヤツと自分の好きな作品が一緒にされるのは納得できない、という気持ちもわからなくはないが、口に出すなと私は思うのである。 みっともないから。 口にさえ出さなければ、内心についてまで踏み込むことなどできるはずもない。 ところで、このところ私はあるラジオ番組にハマっていた。 番組名を書くと検索に引っかかりそうだから書かないが、その昔ときメモのドラマCDで主人公を演じていた人の番組である。 その筋ではかなり有名だそうだが、私は全然知らなかった。 これが意外に面白くて、バックナンバーCDを買って聴くほどハマっている。 ファンになるといろいろ知りたくなるのが人情というものである。 番組で相方を務めている女性声優の情報を検索していて、私は目を疑った。 さんざん「リアル巫女です」とかいっといて、エロゲーに出てんのか、おまえ!って。 情報がほんとかどうかわからないが、その筋の皆さんの耳をごまかすことはできないから、たぶん本当なんだろう。 これはちょっと聴いてみたい・・・が、・・・しかし、聴いてはいけないような・・・という微妙なファン心理。 で、結局PSP版をプレイすることにした。 私が『DEARDROPS DISTORTION』をプレイすることになったのは、そういう次第である。 この作品を一行で説明するならば、不祥事を起こして挫折した天才ヴァイオリニストが思いがけず始めたバンド活動で自分を取り戻していく、といったお話である。 バンドに集まってくるのが可愛い女の子ばっかりってところがいかにもギャルゲーである、PSP版に関していえば。 確かに割とまともな作品だった。 18禁部分はカットするのではなく、プラトニックな内容に書き換えられているので、Windows版があることを知らなければエロゲーだとは気づかないかもしれない。 私は音楽の話が全くわからないし、音楽に没頭する若者に全く共感できないので、話が面白いとは思わなかったけどな。 すんげー長くてしんどかった。 それでも、これぐらい真面目に作られていれば、引き受ける声優さんが決して恥ずかしくないと思ったとしても不思議ではないだろう。 実際のところ、お金のために出演したのか、練習のために出演したのか、何のためなのか私には知るすべもないのだが。 『DEARDROPS』に関していえば、声優は非公開ということになっている。 別に声優さんはエロゲーに出てないと言い張っているわけではなく、エロゲーだけど良い作品だから出演したんだ、といっているわけでもない。 なにも言っていないだけだ。 声優さんが内心において、まともなエロゲーとそうでないエロゲーを分けていたとしても、そこまでこっちにとやかく言う権利はないだろう。 この件に関して、彼女に関する私の心証は全く変化しなかった。 <後日談 2012_04_13> ラジオ聴いていると、なんちゅう作り声のへたくそな声優なんだと驚くけど、『メモリーズオフ ゆびきりの記憶』をやってみたらそうでもなかった。 さすがプロだけあって、本気になればちゃんと出来るんだな。 ラジオではわざとへたくそにやってんのかもね。 |