デイトナUSA2001

在りし日のゲーム 2000_12_31

 

『デイトナUSA2001』を買ってきた。
自分でも、何を今更・・と思ったのだが、何となく欲しくなってしまったのだ。

久々にプレイしてみると、どうも上手く走ることが出来ない。
昔はドライバー視点でスイスイ走っていたはずなのに、後方視点でもどうにもならないのだ。
自分がヘタッピになったのか、ゲームが難しくなったのか。
アクセル・ブレーキがアナログ入力なので、難易度がかなり高まっているのは間違いないのだけど。

しかし、諦めずにプレイしていくと、「ああ、そういえばここは3速フルスロットルで抜けるのがベターだっけ?」とか「いったん2速に落としてすぐに3速に上げるだっけ?」とか少しずつ思い出してきた。
なんとか完走ぐらいは出来るようになってみると、なるほど今やっても面白いなあと思った。
いまだに設置してあるゲーセンが多いのも肯ける。
よく考えてみれば、DCになって、ようやく『デイトナUSA』を再現できるようになったとも言えるわけで、見た目でも十分通用するレベルなのだ。

ところで、私はこのゲームをプレイすればするほど、胸の疼くような郷愁をおぼえている。
私がやり込んだのはSS版であって、ゲーセンでは申し訳程度しかやっていないはずなのだが、どうもプレイした経験以上にこのゲームには感じるところがあるのだ。
『デイトナUSA』ってどんなゲームだったろう?

確かモデル2基盤を使った最初のゲームだったような記憶がある。
モデル2基盤・・・、そうか。
そうなんだ。
セガが、ゲームが、ゲームセンターが、一番輝いて頃の代名詞的なゲームなんだ、『デイトナUSA』は。

セガにとっては、同業他社にもっとも大きな技術力差をつけていた時期と言えるだろう。
3Dゲームを創ることの出来るメーカーはほとんど皆無だった。
MDは上手くいっていなかったにせよ、あの頃のセガは格好良かったんだ。
「SEGA = COOL」という図式が植え付けられた。

そして、そのセガのゲームが家庭でプレイできる。
だからSSの発売に胸が躍った。
PSで発売されるゲームになんか興味はなかったのだ。

更にあの頃はゲームセンターが変わりつつある時期だった。
メーカー直営のゲームセンターが急激に増え、ヤンキーのたまり場だと思われていたゲームセンターが、一般の娯楽施設へと変貌を遂げようとしていた。
ゲームセンターには軒並み大型筐体が導入され、それまでにない楽しさを私達に提供し始めたのだ。
そしてそこにはいつも『デイトナUSA』があった。
『デイトナUSA』っていうのは、そういうゲームなんだ。
私が感じている胸の疼きは、かつて自分が感じていたゲームの世界の胎動に違いない。

セガが任天堂に買収されるなんていう、一昔前なら考えられないような噂が真実味を帯びて飛び交う今日この頃。
時代に逆らうかのように、在りし日を偲ばせる『デイトナUSA2001』をプレイしてみる。
かつてSSが天下を取ると信じて疑わなかった愚かな自分を思い出しながら。
あの素晴らしき日々を思い出しながら。


戻る