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ぱっと見、8bitパソコン時代風のゲームなのかと思った。 敢えて手書き風で色数の少ない画面を見て。 お勧めに出てきた時、安かったこともあって買ってしまったのが『ダレカレ』。 初めて見た段階で既に「圧倒的に好評」を獲得しており、これは期待できると思ったのである。 しかし、こんなゲームだとは思わなかった。 書くとどうしてもネタバレになってしまうので、これからプレイするつもりのある方は読み進めないでください。 主人公が朝起きると、いるはずの父親がおらず、知らない男性がリビングにいた。 男性と話してもお父さんがどこにいるのか教えてくれない。 もう逃げるしかない!というところからゲームは始まる。 いかにもサスペンスっぽい展開だな、と思ってプレイを進めると、実は全然そんな話じゃなかった。 おかしいのは主人公の方なの。 主人公の認知がゆがんでいて、目が覚めるたびに自分の年齢を勘違いしてしまうのだ。 おそらく実際は40〜50ぐらいなのに、少女になったり、二十歳ぐらいになったり、実年齢に戻ったりする。 リビングにいたのはパートナーなのだが、少女になるとパートナーが誰かも分からなくなる、という案配なのであった。 ゲームとしては特になんてことない。 ボールのようなものをクリックしたり、ドラッグしたりすると、物語は進んでいく。 ボールの数や動きで主人公の心の動きを表現しているあたりに多少工夫はあるが、何がどう素晴らしいとかいう話にはならないね。 結局のところ、何を感じ取るか、に尽きる。 非常に不幸なお話であり、現実にこういうことが起きている、ということなんだろう。 おそらく統合失調症みたいな症状なのかな。 治ることはないと言ってたから遺伝性なのも知れない。 病気になった本人も辛いし、介護する方も大変。 パートナーなのに、知らない人とか言い出しちゃうんだから。 ゲームしてても嫌な気持ちになるばかりだよ。 こういうゲームがあってもいいんでしょう。 でも、お金出してまでやることもないかな。 サブスクにでも入っていれば、悪くない作品と言えたかもしれないね。 |