大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-

もはや言い訳は通用しない 2015_07_20

 

GBAで『逆転裁判』に初めて出会った時のことを思い出してみる。
すごいゲームを見つけちゃったっていう感動があった。
面白いゲームがあるよ!って書きたかった。
ホントは、ナルホドくんとマヨイちゃんの掛け合いが面白いだけなのかもしれないが、一応、矛盾を指摘するゲームがそこにはあったからだ。
そこを言い訳にすればこそ、これは面白いと胸を張って書けたわけである。

しかし、『大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-』あたりになると、もう言い訳も通用しないな。
作品全体を指して、矛盾を指摘するゲーム、とは言い難い感触がある。
いまや、演出を観賞するゲーム、というべき内容になっていた。
謎解き以外の部分が長すぎるよ。
クリアするのに十日も掛かるとは思わなかった。
細切れにプレイしたから、実プレイ時間はよく分からないのだが。

もうね、謎解きなんかどうでもいいんじゃないかな、おそらく。
揺さぶるのがメンド臭いだけで、謎解き自体は異様に簡単でしょ。
逆転に次ぐ逆転で、派手な演出が見られればいい。
そもそも舞台が裁判所である必要すらないんだ。
もう見え見えの証拠なんかにも一切触れず、とにかくみんなで驚きまくる。
やり過ぎだよ。
話が全然進まなくてイライラしたわい。

設定がまた狡いんだ。
明治末期の大英帝国っていう舞台設定が。
どの程度の科学捜査が許されるか、が創作側のさじ加減でいくらでも決められるから、逆転し放題だよ。
証拠品の証拠能力もこれまたさじ加減一つで、有効だったり無効だったりするしな。
辻褄が合ってるとか、合ってないとか、どうでもいいんちゃうか、と思いながら私はプレイしていた。

ひょっとすると、女性向けに作ってあるからかもしれないが。
このシリーズは珍しく女性ファンが多いらしいからな。
男性に媚びているキャラよりは、女性媚びているキャラの方が多い印象だった。
私の勝手なイメージだと、女性ファンはあんまり小難しいこといわなそうだし、ボリューム出した方が喜ぶのかもしれない。

いま現在、これより手間の掛かってるアドベンチャーゲームは存在しない。
貴重な存在であることには変わりないだろう。
続編が出れば買いますよ。
でもしかし、これ面白いよって書きたいかといったら、書きたくはないよね。
面白いと書ける体裁は整えて貰わないとこっちも困っちゃう。



<余談>
ガリデブ夫人のほっぺを叩く音がなんか好き。


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