いまエロゲーと呼ばれているものは、その創生期においては必ずしもエロゲーではなかった、いきなりだが。 そもそもエロゲーという言葉すらなかったが、初期の頃は実用に値するものではなかったのである。 解像度も低かったし、色数も少なかった。 あくまで既存のゲーム、すごく面白いとまでは言えないゲームにご褒美をつけることによってやる気を出してもらおう、という性質のものだったのだ。 中心にあるのはゲームだったといっていい。 ところが、PCの性能が上がってくるとそういうワケにはいかなくなった。 エロくないと売れない。 単位負荷あたりのエロはどんどん増加していったのである。 それでもNEC98の時代まではまだなんとかなった。 圧倒的に綺麗なCGを描けるエルフや古参のエロゲーマーを抱えていたアリスソフトなんかはそれなりの負荷をかけられた。 しかし、Win95以降はもうダメだったね。 容量は増えるし、弱小メーカーでも綺麗なCG描けるし、エロ原画の描き手は増えるし、声優は簡単に手配出来るし、もうエロは止まらない。 エロを得るためにゲームやってください、とは言えなくなった。 単位エロあたりにかけられる負荷は限りなくゼロになっていったのである。 私はエロゲーにゲームを求めていないから、別に構わなかったのだが。 いきなりエロゲーの話から書き始めたが、私は何もエロゲーを紹介しようと思っているわけではない。 歴としたコンシューマーのギャルゲー、『クリミナルガールズ』について書きたいと思っているのである。 例によって、必要なこと以外は説明する気がないので、興味があればご自分で調べていただきたい。 このゲーム、お仕置きが「売り」ということになっているようだ。 主人公が率いる少女達にお仕置きして成長させるのである。 しかし、CGは全然たいしたことない。 お仕置きに耐える声が多少扇情的ではあるが、おそらく期待したプレイヤーは拍子抜けするんじゃないか。 そもそもコンシューマーだからエロ目的であるはずはないんだが。 その反面、ゲームは割とよく出来てるんだ。 見た目は20年前かよと思うような出来だけど、難易度のバランスが良くできてる。 ちょっと手応えがあるぐらいでちょうど良かった。 一見すると、1ターンあたり1コマンドしか実行出来ないので手数が足りないように感じるのだが、毎ターンごとにメンバーをひとり入れ替えることが出来るし、一回アイテムを使うことが出来るし、自動で追加攻撃が発生する場合がある。 それらを駆使してちょうどイイぐらいの難易度に仕上げてきてるんだな。 予想外の面白さだった。 メンバーをぐるぐる入れ替えるから、使わないキャラとかいない。 しかもかなり手強いから、自然とゲームへの理解も深まる。 深まらないと倒せないからね。 必然、キャラもみんな立ってくるな。 コンビネーション攻撃を覚えることで仲間意識も出来てくる。 きちんと負荷をかけることでギャルゲーとしても成功している良い例だ。 これはエロを使えないから、逆に良いんだろうね。 ゲームを面白くせざるを得ない。 あくまでプレイヤーを導入するためのエサとしてエロ風味なのである。 まるで大昔に返ったかのような気分だったな。 30時間RPGやって、最後にしょっぱいエロCGが一枚だけ出てきたのを思い出したよ。 |