ゲームについてグラフィックスが優れていることを特に書きたいとは思わない、私は。 だって、それは作った連中が凄いというだけの話だから。 そんなことを書いたって、私はなんにも満たされないのである。 ゲームから得られる喜びに自分がこう貢献した、という話を私は書きたい。 ところで『ユニコーンオーバーロード』について。 私はこのゲームのストーリーをなかなか長大だと感じていたのだが、よくよく考えてみるとそうでもない。 キャラクター数が多いので、それぞれのストーリーを全部足し合わせれば量は多くなるが、メインストーリーは全然大したことないのである。 全然大したことないのに、長大なような気がする、ということが重要なんだ。 このゲームは何かと時間がかかる。 キャラを入れ替えてみたり、隊列を変更してみたり、持たせるアイテムを変えてみたり。 足の遅いユニットは成長が遅れがちになるので、意図的に経験値を稼がせてやろうとすると、それでまた時間がかかってしまうのだ。 その時間がプレイヤーの中に物語を創る。 20行もあれば書けるような物語に厚みが出てくるんだ。 それこそが自分の貢献だよね。 私はそれを「寄与分」としばしば表現するんだけど。 寄与分の大きいゲームは評価が高くなりがちなんだ。 面白いって言いたくなる。 だって、面白いのは自分の手柄だから。 それ故におそらく『ユニコーンオーバーロード』はやや過大評価されている、ゲームとしては。 ホントの面白さを知っているのは高難易度でやりこんだ人だけのはずなのだが、そうでない人もすごく面白かったような気がしているはず。 そう感じさせるように創られているところが、このゲームの凄いところなんだ。 |