アイドルマスター

毎回100円払っている訳じゃない 2007_01_31

 

時間の使い方が違う。
『アイドルマスター』をプレイしていて、そのことに気が付かないわけにはいかなかった。
アーケードで100円払わせることを想定して創られたゲームというのは、家庭用とは全然違う。
私はアーケードでやったことがないので、これから書くことは、XBOX360で発売された『アイドルマスター』の構成がアーケードと同じだという前提で書かれたものである。

私は『アイドルマスター』というものの存在を全く知らなかった、デモムービーを見るまで。
東京ゲームショーで公開されたムービーを見て、初めてその存在を知った。
あのムービーはなかなか衝撃的だったな。
アニメ調3Dで描かれた3人の女の子が歌いながら踊る姿は、私をして購入へと踏み切らせるのに十分だったのである。

とはいうものの、どういうゲームなのか知らないので、適当に『卒業』とか『誕生』とかああいう系統のモノなんだろうと推測していた。
ちょっとお色気もあってウハウハなのではなかろうかと。
しかし、やってみたら少し思っていたのと違っていた。
少し違っていた、というのは色んな意味で違っていたのだが、今ここで私が書きたいことは時間の使い方が違う点についてである。
アーケード用だけあって、時間を如何にして使わせるか、に注力されたデザインになっていたのだ。

最初に気になったのは、一日始まりに「×週目」「場所」「残り××週」と一つの情報につき一画面をわざわざ表示していたところである。
おまけに一画面ごとに2秒ぐらい間が取ってある。
一画面で全部表示すればいいじゃねえか、と思ったのがこのことを考えるきっかけになった。
だって、時間の無駄以外のなにものでもないでしょ?

ただしアーケードのゲームと言っても、今と昔ではまるで違う事を考慮しておく必要はある。
上手い人だけ長〜くプレイできる、では具合が悪くなったのだ。
出来れば、誰がやっても一定時間で終わって欲しい。
その代わり誰がやっても一定時間は遊べるようにするのが望ましいんだろう。
私はゲーセンにほとんど行かないので、身をもって知っているわけではないのだが。

そうすると、100円当たり何分というプレイタイムが生まれるわけだが、100円を払っているだけあって、プレイヤーはシビアになる。
それで満足しなければ次の100円は投入してくれないだろう。
かといって、ガンガン新しいイベントやらムービーやらを見せていては、コンテンツが枯渇してしまう。
だから、さりげなく時間を使わせつつ、満足感を引きだすテクニックを磨いちゃうんじゃないか。
朝・夜の挨拶タイムが全ゲーム時間に占める割合はちょっと異常だ。
メインの部分より長いかもしれない。
まったく、つまらんテクニックばっかり磨きやがって。

よく考えたらオーディションだって、合格後のお楽しみを入れると2回同じ曲を聴かされることになっている。
通常は同じ情報を繰り返し聞くと面白くないはずなんだけど。
あれを聴いているだけで都合5分ぐらい消費しているわけで、プレイヤーは満足しつつ連コインさせられているのである。
何せお楽しみタイムということになってるんだから。
私もそんなにイヤじゃない。
本音を言うと大好き。

ただ私の場合、先に6千円ほど払ってしまっている。
100円投入してプレイしているわけではないのだ。
そこは決定的に違う。
コンシューマにはコンシューマ向けの構成があるはずである。
こんな時間稼ぎは要らない。

この『アイドルマスター』、私は結構気に入っているんだけど、常に時間勿体ないっていう感覚はつきまとうな。
時間を測ってみると、たったこれだけの情報しか得ていないのに、もう10分経ってるのっ?!ってびっくりするわ。
こんな事で良いはずがない。
私の心は叫んでいる。
(でも、プレイしちゃう)


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