ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生_2

コンビネーションで高得点 2010_12_05

 

『ダンガンロンパ』というタイトル名を初めて見たとき、私はこのゲームをこう予想した。
たぶん時間制限があって、高速に議論のやり取りをするゲームなんだろうと。
そうするとゲームの性質が変わるよな。
例えば将棋でも時間制限があると、ベストの手を探すのではなく、筋のいい手を探す必要が出てくる。
当然考え方が変わってくるはずだ。
なかなか面白いところを突いて来たな、と思った。

しかし、実際のゲームでは時間の要素はそれほど重要じゃなかったな。
ほとんどのケースで時間は有り余っている。
考えに詰まるほどの謎はないのだ。
時間は単にクリア後の評価に影響するだけのようだった。
「ダンガン」の意味するところは、証拠や証言を言弾(コトダマ)にして、間違いや矛盾を撃ち抜くことにあったらしい。
その点はちょっと拍子抜けしたな。

ただし、この作品は別のところでゲームを担保している。
謎解きが簡単な分、答える部分をアクションゲームにして「謎解き+アクション」でプレイヤーの乗り越えるべき負荷を量的に補っているという感じなんだな。
更にそれだけじゃなく、謎解きを選択にしたり、穴埋め形式にしたり、リズムゲームっぽいパートを盛り込んで、それらを連続で繰り返すことで全体のゲームを構成していく。
なんといったらいいのかな。
4回転ジャンプは難しいから、3回転2回転2回転のコンビネーションで高得点を狙おうみたいな感じといえばいいのか。
負荷を一つ一つ検証していったら、全然たいしたことない。
でも、全部足し合わせていったら、結構満足感はあった。

満足感が高かったのは演出が上手いせいもあるだろうけど。
それぞれのシーンが、実は全然逼迫してないんだけど、逼迫しているような気持ちにさせる演出になってるよな、視覚的にも聴覚的にも。
キャラの立ちがいいから、またそういう演出も活きる。
そういう意味では総合力の勝利と言えるかもしれない。

決して、はじめて『逆転裁判』に出会ったときのような、これは凄いよ、みんなに伝えなきゃ、という感じではないんだよ。
負荷の総量はあるけど、乗り越えるピークが高くないから。
謎解きで困るようなことはほとんどない。
それでもきっちり満足を引き出せるように作ってあるという意味では、やはり素晴らしいゲームだったなと私は思う。
私は大満足でした。


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