世の中、コラボ流行りである。 おそらく購買層・ユーザー層が異なっていれば異なっているほど、宣伝の費用対効果が大きくなるから仕掛けやすいんだろう。 みんなやってるから、精神的な障壁が低くなっていることもあるのかもしれないが。 最近じゃ、マガジンとサンデーみたいな同業者間のコラボまであるぐらいで、もう何でもありの様相を呈している。 当然ゲームのコラボだってアリだろう。 しかしながら、ゲームは他の商品とちょっと違うところがある。 ゲーマーってのはゲームに上下をつけたがるのだ。 一般に難しいゲームやってる連中の方が威張っているし、私流に言うと喜び対する寄与分の大きいゲームに対してより誇りを感じるものである。 ゲームでコラボって話になったときに、プレイヤー側ではおそらく衝突が起きるだろう、と私は予想していた。 『レイトン教授VS逆転裁判』で比べてみると、謎といいつつ実際はパズルゲームやってるだけの「レイトン」シリーズより、ロジックを構築する「逆転裁判」シリーズの方が誇らしい気分になるのではないか。 そうであれば、コラボの結果、「逆転裁判」のファンの方が被害者意識を強く持つだろう。 金儲けに利用された!って。 正直言って、『レイトン教授VS逆転裁判』を買ったら負けのような気もしたのだが、ことの顛末を見届けないわけにもいかなかった。 しかし、最後までプレイしてみたら、意外と上手につくってあったという印象である。 レイトンパートと逆裁パートがほぼ分離されているので、混ざって変なゲームになってるわけじゃなかった。 余計なことをしなかったのがいい。 逆裁側からみれば、証拠集めがナゾ解きに置き換わっただけである。 世界観の違いもそれほど気にならなかった。 正体不明のラビリンスシティを舞台にすることで世界観の差異を上手く打ち消している。 話の展開が無茶苦茶なのは、レイトンも逆転裁判も元から無茶苦茶なので、その点において違和感はない。 ケチをつけようにも、声優さんぐらいしか思い当たらないな。 ボタン押しっぱなしの早送りが出来ないのは、コラボのせいじゃないだろうしね。 むしろ久々にナルホドくんとマヨイちゃんの逆転裁判がプレイできて嬉しかった、というのが素直な感想である。 発売元がレベルファイブで開発をカプコン側がやってるみたいだから、レイトン側がかなり譲ってこういうかたちになったのかな、という気はする。 逆裁パートの証拠品が少なかったり、ヒントが使えたりするあたりに辛うじて、誰でもすらすらクリアできるレイトン的なつくりが垣間見える程度だな。 私は逆裁寄りの立場だから、これなら文句は言えない。 レイトン側からみたら、また話は違うかもしれないが。 |