『放課後少年』は昭和50年代の小学6年生の物語である。 それも引っ越しを一ヶ月後に控えた少年の。 このゲームを買ったのは、私自身がちょうど昭和50年代に少年期を送った人間だけに、何となく惹かれるものがあったからだった。 特別内容については下調べしなかったな。 私はミニゲーム集みたいなものだと思っていた。 このゲームはどちらかというとアドベンチャーゲームに属するような、ストーリーを追っていく形式の作品である。 クラスメイトの好感度がフラグになっていて、発生するイベントが変わるようだ。 プレイを進めていくうち、どうしても自分の子供時代を思い出さずにはいられなかったな。 もっとも、主人公は非常にいい奴で微笑ましいエピソードが続いていくのだが、私の場合は全然違う。 部分的にそんなこともあったなー、とか思わないでもないが、あんまりいい思い出はないな。 私は基本的に放課後友達と遊ばない子供だった。 県大会で準優勝するような少年サッカー団に所属していながら、放課後クラスメイトと一緒にサッカーをしたことがただの一度もなかった。 5年間所属していて、一度もだよ。 同じクラスにチームメイトもいたのだが、誘われても私はいつも「俺、遠山の金さん観るから」とかいって速攻で家に帰ってたな。 スカートめくりなんか、私たちの頃はもっとエスカレートしていた。 なんと成長の早い女子の胸を触っていたのである。 私もやってた。 いま思うとひどい事してたな。 犯罪だよ。 私たちの時代は先生にぶん殴られて終わりだったけど、今だったら大問題だろうな。 集中的に触られてたTさんとか、トラウマになっていないといいけど。 一部の遊びなんかには懐かしさを感じないでもないけど、どうも私には本来このゲームに感動すべき過去はないように思われる。 ところが、やっぱりこのゲームやると感動するんだな。 いい話ですよ。 私には涙を流す資格などないと思いながらも、やっぱり最後は涙が出ちゃう。 結局、懐かしむべき過去があるかどうかは関係ないんだな。 こうだったらいいな、といま思う過去がストーリーになっていればいいらしい。 明らかにひきょっ臭いんだけど、それはそれで満足なのである。 |