放課後少年_2

思い出なき感動 2008_03_12

 

『放課後少年』は昭和50年代の小学6年生の物語である。
それも引っ越しを一ヶ月後に控えた少年の。
このゲームを買ったのは、私自身がちょうど昭和50年代に少年期を送った人間だけに、何となく惹かれるものがあったからだった。
特別内容については下調べしなかったな。
私はミニゲーム集みたいなものだと思っていた。
このゲームはどちらかというとアドベンチャーゲームに属するような、ストーリーを追っていく形式の作品である。
クラスメイトの好感度がフラグになっていて、発生するイベントが変わるようだ。

プレイを進めていくうち、どうしても自分の子供時代を思い出さずにはいられなかったな。
もっとも、主人公は非常にいい奴で微笑ましいエピソードが続いていくのだが、私の場合は全然違う。
部分的にそんなこともあったなー、とか思わないでもないが、あんまりいい思い出はないな。
私は基本的に放課後友達と遊ばない子供だった。
県大会で準優勝するような少年サッカー団に所属していながら、放課後クラスメイトと一緒にサッカーをしたことがただの一度もなかった。
5年間所属していて、一度もだよ。
同じクラスにチームメイトもいたのだが、誘われても私はいつも「俺、遠山の金さん観るから」とかいって速攻で家に帰ってたな。

スカートめくりなんか、私たちの頃はもっとエスカレートしていた。
なんと成長の早い女子の胸を触っていたのである。
私もやってた。
いま思うとひどい事してたな。
犯罪だよ。
私たちの時代は先生にぶん殴られて終わりだったけど、今だったら大問題だろうな。
集中的に触られてたTさんとか、トラウマになっていないといいけど。

一部の遊びなんかには懐かしさを感じないでもないけど、どうも私には本来このゲームに感動すべき過去はないように思われる。
ところが、やっぱりこのゲームやると感動するんだな。
いい話ですよ。
私には涙を流す資格などないと思いながらも、やっぱり最後は涙が出ちゃう。

結局、懐かしむべき過去があるかどうかは関係ないんだな。
こうだったらいいな、といま思う過去がストーリーになっていればいいらしい。
明らかにひきょっ臭いんだけど、それはそれで満足なのである。


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