キャッチボールというのは当然だが、それ自体がゲームである。 分解して考えれば、ボールを投げる行為とボールを掴む行為に分けることが出来るが、やはりそれぞれもゲームだ。 私の定義ではこれは当たり前のことである。 グラブを使うと、喜びの増幅効果もあるので、テレビゲーム的な感覚で捉えることも可能である。(道具による喜びの増幅についてはまた別の機会に書きたい) ただし、キャッチボールは割と暇である。 少なくとも半分の時間は手元にボールがないし、捕るにせよ、投げるにせよ、脳をそちらに傾けなければならないのはホンの一瞬である。 そうすると、人間は何かしらやろうとするよな。 キャッチボールをするときって大抵なんやら会話しながらやるものである。 あれはたぶん暇だからだ。 逆に会話したいからキャッチボールをするんだ、と考えられなくもないが。 中さんが開発した『レッツキャッチ』は『レッツタップ』よりも筋の良い感じがする。 キャッチボールという現実の行為をWiiリモコンでの操作に置き換えているからだ。 これなら納得できる。 ただし、あまりゲームは追わなかったようだ。 Wiiのコントローラーには限界があるからな。 ボールを捕るときは位置を指定しないし、投げるときもあくまで大雑把なコントロールがあるだけである。 キャッチボールをするときって、相手の力量を見極めつつ、自分の喜びを最大にするように力加減をするものだけど、そういうところはあんまりゲームとして追いかけなかった。 たぶん正解なんだろう。 当然プレイ自体は暇である。 その代わり、キャッチボールするときの会話をプレイする動機付けとして取り入れたようだ。 これも現実の行為を取り込んでいるわけで、案外良かったな。 ストーリーモードに登場するキャラはそれぞれ悩みを抱えているんだけど、キャッチボールすることがこれを解決することにつながるので何となく嬉しい。 なんでわざわざ金払って悩みを解決してやらなきゃならんのだ、と思わなくもないが、追加シナリオがあればあるいは買ってしまうかもしれない。 私は解決してやりたいと思うのである。 それは、悩みを解決すること自体が喜びを伴うゲームであり、解決方法をキャッチボールに置き換えてやるという、操作するところから考えると2段階の置き換えがあるからだとも言えるだろう。 この『レッツキャッチ』は案外良くできているのかもしれんよ。 キャッチボールぐらい生身の人間とやればいいじゃん!と思わなくもないが、現実にはキャッチボールしたからといって悩みが解決するとは限らないからな。 |