私がブラインドタッチをマスターしたのは、大学で研究室に入ってからのことである。 子供の頃からパソコンで遊んできたが、それまではいつも片手で打っていた。 どうせゲームして遊んでるだけなんだから、必要なかったのである。 そんな私がブラインドタッチをマスターすることが出来たのは、『Type Master』というソフトのおかげである。 『Type Master』というのはNEC98用のタイプ練習ソフトで、研究室のパソコンに入っていた。 研究室にいても絶対に勉強はしないので、暇なのである。 そこで私たちはよくタイプの腕を競い合った。 ブラインドタッチってのはある種のゲームなんだな。 上手くなる喜びがあって、しかも実益を兼ねてるんだからやり甲斐もある。 なんでこんな事を書いているかというと、私が『えいご漬け』をやり始めたからである。 PC用ソフトとしては異例の売れ行きを見せているという、例のアレのことだ。 NDS用が発売されると聞いて、待ちきれないのでダウンロード版を買ってみた。 『えいご漬け』、これは面白いな。 ゲームなんだよ、これ。 たぶん私のレベルが低いからなんだろうけど、単語埋めゲーム的なところがあるんだ。 聞き取れなかった部分をパズルゲームみたいに楽しめる。 更に、聞き取った内容を打ち込むところが、またゲームなんですよ。 話すリズムで打っていくと、自然とタイピングゲームみたいな感覚が出てくるのだ。 みんながみんなブラインドタッチ出来るワケじゃないんだろうけど。 PCソフトとしては異例の大ヒットというのがよくわかる。 実用ソフトでありながら、ゲームの面白さを兼ね備えているんだ。 実際のところ、英語力を高めることが出来るのかはわからないが、確かに「えいご漬け」にはなるかもしれない。 これに目を付けるとは、さすがは任天堂。 なんだか最近、任天堂に感心させられてばかりだが。 しかし、である。 NDSだと、キーボードは使えない。 手書きにせよ、ソフトウェアキーボードにせよ、おそらくだいぶ感覚が変わるだろうな、という印象は持った。 私はやっていて、リズムよくキーボードを叩いていくところに魅力を感じているのである。 これがなかったら、ゲームが半分落ちる感じだな。 一体任天堂はどうするんだろうな、という興味が湧いてきた。 味付けも気になるが、キーボードを使わずにどれだけプレイヤーを惹きつけられるのか。 今のところ、結構難しいんじゃないか、という印象なのだが。 <余談> この稿の中では、敢えて「ブラインドタッチ」と書いた。 世間的には「タッチタイプ」と書くことは知っているのだが。 私の中で「ブラインドタッチ」という言葉は、ちょっとした憧れなのである。 |