ブレイザードライブ

勝たされてる感 2009_02_19

 

今時のゲームってのはクリアできるように創られている。
昔は無限に難しくなっていって、能力の限界に挑戦するようなものもあったけど、いまはまず滅多にそんなのはない。
なぜならば、クリアを提供することも支払われた対価のうちに入っているからである。
しかし、プレイヤー側の能力はもちろん一定ではない。
だから創り手は、プレイヤーの能力がゲームに反映しないように工夫したり、反映してもクリアには影響しないように様々な英知を絞ってきたのである。
クリアできなくするために英知を用いているわけではないところがやや寂しくはあるものの、それが現実。

最近、また凄いゲームに出会ってしまった。
その名も『ブレイザードライブ』。
DS用に昨年末セガから発売されたカードバトルである。
正確にはカードではなく、ステッカーを腕に貼るのだが、まあ、実質的にはカードバトルと差異はないと思われるので、ここではカードバトルと書いておく。
何が凄いのかは説明の後に書きたい。

このゲームでは4枚までカードを重ねて使用することができる。
片腕に4枚までステッカーを貼っていって、その腕で敵を攻撃したり、ディフェンスしたりするのだ。
ステッカーを重ねることで基本的にパラメーターは加算されていくのだが、同属性の場合は相乗効果で+アルファが付く仕組みである。
個々のステッカーにも様々な効果が設定されており、対戦するとなかなか面白いらしい。
例によって私は一人プレイしかしてないけど。

一人でストーリーを追っていくと、当然COMの敵が出てくるのである。
当然プレイヤーである私は敵に勝たねばならない。
そこで。
よくゲームの話を読むと「やらされてる感」とかって目にするけど、このゲームは「勝たされてる感」があるのである。
それも半端じゃない。

最初は自分と敵はほぼ同じぐらいのパラメーターから始まる。
ところが、敵さんと自分とでは明らかに持っているカードの質が違う。
こっちのカードはどんどんパラメーターを加速させていくんだけど、敵さんのパラメーターはあんまり上がってこないのである。
はじめからそういうカードしか持たせてもらってないのだ。
これは程度こそ違え、雑魚キャラもボスキャラも同じであった。
結局、ターンが進めば必ず勝つ。
どうやったって勝つのである。
必要なのは時間だけ。
しかも、序盤の小競り合いで、それなりに壁を乗り越えたような気になる。
これはまた凄いな。
プレイヤーの満足を保証するという意味で凄いのである。

もちろん絶対に勝てるから、テンポは遅めである。
攻撃時にいちいちキャラのポーズが表示されたり、パラメーターが増減する度に進行が止まる。
おかげでよく眠れた。
ふたを閉じることすら儘ならず眠りに落ちて、朝起きたら電池切れだったり、フリーズしてることもよくあったな。(落とした衝撃?)
すぐ寝ちゃうから、なかなか終わらなかった。

私はこういうゲームが悪いとは思わない。
プレイヤーの満足を引き出すように、よく考えて創ってあると思う。
最近のセガは特にDSでこういうゲーム作りができるようになったな。
なんで昔はできなかったんだろう。
プラットフォームホルダーであったときほど、こういうゲームをコンスタントに出すべきだったのに。
求められなくなってから創れるようになったというのも皮肉な話である。


戻る