かつてゲーム中のムービーはご褒美であった。 しかし、今やどんなに綺麗なムービーであれ、ご褒美にはならない。 我々はもう見飽きてしまったのである。 それでも見栄えを売りにしているゲームではムービーを入れないわけにもいかないだろう。 となれば、ムービーのご褒美ではない使い方が必要になるはず。 ところで、今頃になって『BIOHAZARD VILLAGE』をプレイしている。 ホントはPS5を手に入れてからプレイするつもりだったんだ。 でも、いつまで経ってもPS5は手に入らない。 もういよいよやりたいゲームも見当たらなくなって、やむを得ずPS4版をやることにしたのである。 やり始めてすぐに私は止めたくなった。 ムービー部分に納得がいかない。 主人公はやるべき事をやらないし、一方的にやられるシーンばっかりが続くのである。 こんなムービーは観たくないと私は思った。 しかし、そうか、と気付くところもあった。 このゲームのムービーは負荷の大きいところの後ろではなく、前に置いてあるケースが多い。 これはつまりムービーによって、プレイヤーが如何に困難な状況に置かれているか、を説明しようとしているのである。 おそらく一端プレイヤーをマイナス方向に突き放すことによって、クリアしたときの達成感を本来あるべきものより大きくしようとしているのだろう。 私流の表現をするならば、相対的なお得感を大きくしたい、という言い方をしてもいい。 ただし、絶対的には損してるんだよ。 嫌なムービーを観させられているわけだから。 こんなゲームはやりたくない、やりたくない、と思いつつも中盤過ぎ辺りまで進んできた、現在。 というのも、止めるに止められないのである。 ゲーム自体は全然わるくないから。 PS4版でも十分すぎるほど凝ったCGだし、戦闘シーンもなかなか迫力があるし、精神的圧迫感が嫌だけど謎解きもまずまずよく出来ている。 半ば義務的ではあるが、最後までやらなきゃならないだろうと私は思っているのである。 でも、次もこういうヤツなら、もうやらないかな。 嫌な思いはしたくないからね。 最近は主人公が苦労して強くなるライトノベルが売れないらしいし、こういうムービーの使い方はあんまり大衆ウケしないような気がするな、少なくとも日本では。 |