ドラゴンクエストソード

ゲームがないから大きく振る 2007_07_23

 

新しいゲームマシンが発売されてから、しばらくは面白いゲームが生まれてこない、というのは経験的に正しいような気がする。
Wiiのような特殊なコントローラーを搭載していれば、なおさらのことである。
しかし、遊び手からすると、新しい可能性を感じることが出来る時期だと言えるのかもしれない。
そういえば、DSでも同じ経験をした。


『ドラゴンクエストソード』をプレイしてみた。
あまりに評判が悪いので、逆に興味が湧いたのだ。
噂に違わぬ短さで、ホントに8時間で終わってしまった。
私は短い方が嬉しいけど。
これを6800円で売るところが、「ドラゴンクエスト」という名前の凄いところだな。
看板代がなければ、普通は4800円の内容である。

しかし、一つ感心したことがある。
必殺技だけは素晴らしいな。
あれは理にかなっている。
少しだけ説明したい。

このゲームには必殺技ゲージが付いており、100%まで溜めると必殺技を発動することが出来る。
この必殺技を発動するプロセスがエネルギーを溜める部分と剣を振り下ろす部分に分けられているところがみそである。
剣を振り下ろすところには、敢えてゲームを入れていない。
ただ振り下ろすだけ。
ゲームが入っていないということは、上手くなる要素がないということである。

Wiiのコントローラーは非常に難しくて、精度を求めるとゲームがつまらなくなる。
この『ドラゴンクエストソード』でも、通常の戦闘では精度が求められるので、必然手の動きは小さくした方が有利なのだ。
入力は、リモコンのボタンが付いている面の法線を基準にして、どっちの方向に加速しているのかを判定しているだけだから。(たぶん、ですよ)
加速ってのがポイントで、プレイヤーは動かした真ん中あたりを入力だと思いがちだけど、加速しているのは振り始めだからね。
大きく動かせば動かすほど、プレイヤーとの感覚にずれが生じやすい。
プレイヤーが実際に行っていることとの同一性を高めることで喜びを大きくしたい、という観点からすると、そこには矛盾があるのである。

しかし、必殺技に関してはこれは当てはまらない。
大きく振っても特にデメリットはないので、大きく振れる。
私は思いっきり振ってたけど、たぶん必殺技に関しては誰でも同じ経験をしているんじゃないか。
どうせなら楽しい方が良いからね。
しかも、必殺技の前に必殺技の「型」というべきモーションを入れているので、あれで喜びがまた増大するはずだ。
ヒーローものの必殺技みたいな感覚があるんだな。

コントローラーが特殊だからといって、全くゲームを追わないのはやはり難しい。
そこで一部分だけゲームを外してやろう、というアプローチはありかもしれないな。


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