確実に削られている。 タブレットのせいでゲーム専用機で遊ぶ時間が削られているのである。 『パズドラ』やって、『LINE POP』やって、『ケリ姫スイーツ』までやり始めると、ホントに他のゲームが進まない。 我ながら驚くのだが、3DSで進行中のゲームより、タブレットに先に手が伸びてしまうのだ。 スタート画面までにかかる時間はどちらもそれほど変わらない事を考えると、これはお手軽だから、というだけでは説明できない。 そこで私は気付くのである。 おそらくその原因はタブレットにあるのではなく、基本無料というビジネスモデルにあるのではないか。 パッケージ販売を基本とするゲーム専用機向けゲームが抱える大きな問題に対する解のひとつが基本無料だからなのではないのか、と。 何度も書いたことがあると思うのだが、お金を払うことで逆に損することがある。 創り手側からすると、お金を払って貰う以上、狭義の意味でゲームが面白いかどうかに関わりなく、ある程度プレイヤーに満足感を持って貰う必要が出てくる。 そうすると、ムービーやら音声やらゲーム以外のところで満足感を引き出そうとしたり、プレイタイムを稼ぐためにわざとゆっくり進行させる、といった事態になるんだな。 勢いゲームの密度が低下するので、当然ゲームから得られる喜び密度も低下する。 ゲームをやりたい立場からすると、お金を払ったばっかりに逆に損しちゃうんだよ。 かといって見た目がシンプルな作品ではフルプライス取れないし、フルプライスのゲームがすぐに終わったらお客は怒るしね。 とはいうものの、流通コストを考えると単価が高いほど利益率が高いこともあり、単価は下げたくない。 これはどうにもならないのだ。 パッケージビジネスは、以前から大きな問題を抱えていたのである。 そして、ごく一部の高評価ゲームしか売れないダウンロード販売では、その問題を解決することは出来ない。 翻って今遊んでる基本無料ゲームを顧みると、すぐにゲームが始められる。 ムービーも説明もほとんどない。 そもそも無料だから、余計なモノをつけなくて済むんだな。 ほとんどゲームだけ。 過剰に装飾しなくても無料なら文句は言われないしね。 私はバカバカしいと思っていたけど、アイテム・経験値・時間をお金で買うのも理にかなっている。 だって、お金を払って時間を無駄にするのではなく、お金を払って時間を省くわけだからね。 どっちが正しいかといえば、後者が正しいだろう。 喜びの時間密度は間違いなく上がる。 こう考えていけば、基本無料はパッケージビジネスの抱える問題に対するひとつの答えだと言えるのではないだろうか。 もっとも、基本無料も過当競争でいずれは成立しなくなるかもしれないが。 既にその芽を見つけることは出来る。 『ケリ姫スイーツ』はステージごとにほんの少しだけストーリーじみたモノが用意されているし、『ぷよぷよ!!クエスト』はヤケに説明が丁寧で鬱陶しく感じられる。 遠からず、パッケージと同じ状態になるのかもね。 |