人間を絶対評価するほどには精度良く創られていなかったところが、『Wii Sports』は良かったと私は思っている。 家族や友達と対戦して、勝った負けたは構わないが、どれぐらい優れているか、というところまでは踏み込まない。 ゲームってのはどうしても人を測る物差しの側面を持っているものだけど、下手な人は測られたくないでしょ。 これに関しては、Wiiリモコンが精度を出すコントローラーではないことが上手く作用したのではないか。 上手くなるにしてもすぐサチっちゃうからね。(サチる=飽和する) 狙い通りだったのか、たまたま上手く作用したのかは分からないが。 一方で、WiiUの『Wii Sports Club』がやろうとしたことに私はどうにも同意出来なかった。 ネット対戦させるためなのか、前作との違いをアピールするためなのか、精度を出しにかかっている印象があったからだ。 今まで以上にプレイヤーに差が出てしまう。 さらには、精度を出すためなんだと思うのだが、リモコンの傾きがヤケにずれるんだよね。 今まで使ってなかったパラメーターでも読んでるのかな? ラケットやクラブが変な方向を向いてしまって、どうにもならないことがしばしばあった。 体験版をやっても買う気にはならなかったな。 今回せっかくパッケージ版を買ったから、なんかやってみようかと思ったとき、唯一やる気になったのは野球だった。 やっぱり野球が好きだからだろうな。 これまた都合の良いことに、野球に関してはバットの向きがずれてもさほど影響は出ない。 タイミング合わせて振るだけだからね。 攻撃側と守備側で画面を分けているところもいいな。 珍しくタブコン側を活かした作りだし、バッターのタイミングがどの程度外れているかを確認するにはテレビ側を観る必要があるので、二画面を使う意味もある。 更にネット対戦をやってみて分かったことには、野球に関しては割と下手でも勝てる。 偶然の要素が大きいので、自分のレベルが下でも勝つことはあるのだ。 10級から上がれなくて苦しんでいるときに、突然3段に勝てちゃったことも実際あったのである。 これなら遊べるな、と思い始めた矢先にヤツと出会った。 5段のあいつ。 名前は忘れた。 私が3級のときだったかな、あれは。 どんなに工夫してもタイミングを外せない。 ストライクは全部アジャストされるし、ボールは振ってくれない。 慣れだけじゃなくて、動体視力が高いのか、身体能力が高いのか、根本的な何かが違っているように思われた。 そのくせ投げるときはヤケにボールが多い。 マジで勝ちに来てる。 コイツには敵わんと思った。 こっちはある程度ヤマを張らないと打てないレベルだからね。 ヤツと戦った後、私もしばらくやる気をなくした。 今のところ、45試合やってどうにもならないと思ったのはヤツだけだが、ああいうヤツに会うとみんなやる気をなくしちゃうんじゃないかな。 ダウンロード版がどれぐらい売れているのか知らないけど、任天堂が何も発表しないところを見ると、売れてないんだろう。 体験版で負けてばっかりじゃ、金を払う気にはならないよ。 任天堂が狙ってるような層には、人を測るようなゲームは合わないんじゃないか、という気がして仕方ない。 野球はまだマシだけど、精度を出す方向でゲームを創ったのは間違いなんじゃないかなあ。 |